乳児にもコロナワクチン KMバイオが治験開始

    明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクス(熊本市)は20日、開発を進める新型コロナウイルスの小児用ワクチンの臨床試験(治験)を今月中に始めると発表した。対象は生後6カ月以上18歳未満の小児。国内で5歳以下の新型コロナワクチンの治験が行われるのは初めて。令和4年中に承認申請を行い、4年度中の実用化を目指す。

    KMバイオロジクスが開発するワクチン(同社提供)
    KMバイオロジクスが開発するワクチン(同社提供)

    同社が開発するのは従来型の不活化ワクチンで、乳幼児の定期接種や、インフルエンザ予防のワクチンでも使われてきた。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンなどに比べて副反応が少ないとされ、これまで副反応の懸念やアレルギーなどでワクチンが打てなかった人に対しても選択肢を広げることが期待できる。

    今月中に開始予定の小児用の治験は600人を対象に行う。28日間隔で2回接種する。一方、40歳以下の成人向けワクチンに関しても、近く最終段階の治験を開始する。

    ほかに代替手段がない場合に、安全性が確保され、有効性が推定されればワクチンや治療薬を実用化できる「緊急承認制度」が今国会で検討されているが、成立すればこの制度を用いて今年度中の実用化を目指す。

    同社の永里敏秋社長は「行動範囲の広い小児の感染リスクが指摘されている。ウィズコロナの社会を迎えて、多くの世代が接種できるワクチンが必要。不活化ワクチンが役に立てることはあると考えている」と話した。


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