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年率4%運用なら資産は減らない…そんなFIREの前提条件を日本人が信じてはいけない理由

PRESIDENT Online

しかし、この「4%ルール」(または「25倍ルール」)は乱暴すぎます。その根拠のうちでも主なものを以下に列挙してみましょう。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/phongphan5922
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/phongphan5922
  1. 正確な数値はわかりかねますが、「4%ルール」が日本にも当てはまるとは限りません。
  2. アメリカでさえ、「過去はそうだった」というだけで、株式市場が未来永劫7%で成長するとは限りません。
  3. 株式投資による資産運用の成果(年率の利回り)は、長期的な平均値でも、個人差が大きいのが実状です。平均値でも「マイナスの人もいれば10%以上の人もいる」というのが実状なので、「株式市場に投資さえしておけば、(物価変動調整後で)総じて『年率4%』の利回りが期待できる」などという仮定は、おへそがお茶を沸かしてしまいそうです。
  4. また、この「4%ルール」(または「25倍ルール」)は、株式譲渡益課税と配当課税という「税金」を無視してしまっている点も、非現実的で、荒削りすぎます。

日本の株式市場では「7%以上の年率利回り」は期待薄

これらについて、さらに深掘りします。

1の「『4%ルール』は日本にも当てはまるとは限らない」という点についてですが、戦後開所来の日経平均株価(またはTOPIX)と物価上昇率の「長期的な成長率の年率の平均値」がどのくらいなのかというのは、各種の資料を検討したり、インターネットでググったりすればわかるかもしれません。

しかし、2に述べたように、それらのデータをもとにしたところで、「過去はそうだった」というだけに過ぎず、日本の株式市場が未来永劫、その率で成長するとは限りません。ただ、後述しますが、ある程度の期待は持てるとは思いますが。

なお、75年もの超長期の正確なデータではありませんが、私の手もとに過去40年分の日経平均株価のデータがあるので、そのデータで日経平均株価の「長期的な成長率の年率の平均値」を算出してみました(複利で計算しました)。

2010年の年初~2019年末までの10年間 8.35%


2000年の年初~2019年末までの20年間 1.12%


1990年の年初~2019年末までの30年間 -1.65%


1980年の年初~2019年末までの40年間 3.26%

このように、日本でも最近の10年間は7%以上の年率利回りになっていますが、20年間と30年間では全然ダメです。20年前は「ITバブル」の頂点からの計測になるため、そして30年前は「1980年代後半のバブル」の頂点からの計測になるため、全然ダメなのです。

日本では「4%」での運用も難しい

40年間でも3.26%なので、7%ということはありえません。私の肌感覚ですが、この40年間の物価上昇率は、約2倍です。たとえば、名古屋の喫茶店のコーヒーが1杯230円→450円で約2倍とか、国立大学の授業料(年額)が30万円→53万5800円で約1.8倍とかです(レギュラーガソリンの価格は、原油価格という国際価格と為替に依存しながら大きく変動するので、ここでは度外視しました)。

40年間で2倍というのは年率換算にすると1.75%なので、差し引きでは(3.26%-1.75%=)1.51%となり、物価上昇には打ち克っていますが、日本では「4%」にはほど遠いです。

4%ルールはあくまで「NYダウ」の話

なお、やはりアメリカの代表的な株価指標であるNYダウについて同じ期間で、為替(ドル円)の影響を考慮に入れて円建てベースで調べると、次のようになります。

2010年の年初~2019年末までの10年間 12.36%


2000年の年初~2019年末までの20年間 5.05%


1990年の年初~2019年末までの30年間 7.01%


1980年の年初~2019年末までの40年間 7.02%

このようにアメリカ(NYダウ)については、2000年の年初がITバブルの高値からの換算なので5.05%と少し低くなっていますが、30年間と40年間では7%を維持していますし、最近10年間は12.36%で、高い値になっています。やはりアメリカで「4%ルール」が主張されるのは、それなりの結果が伴っているからですね。

日本の株式市場はアメリカより30年成熟が遅れている

さて、このようなわけですから、日米では様子が全然違います。結果論でしかありませんが、過去40年間においては、アメリカ株に投資しておけばよかったということになります。そのような「まさに(悪い意味での)結果論」を言ってもしかたがありません。しかしながら、ここで私は希望的な考え方をしたいと思います。

「日本の株式市場は、アメリカと比べると25年〜30年は近代化が遅れている」ということを耳にします。「日本が大好き」である私のナショナリズムからしますと、屈辱的なことではありますが、私の肌感覚でも悔しいことながら、確かにそれは言えているなぁという印象があります。少なくとも、1989年末までのバブル相場の時は、完全に発展途上国的なナンセンスな株価形成でしたし、株主への配当額も「1株当たり5円」のオンパレードで、配当利回りとかの重要な指標はまったく無視されていました。


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