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年率4%運用なら資産は減らない…そんなFIREの前提条件を日本人が信じてはいけない理由

PRESIDENT Online

お金の不安を解消するには、どれだけの資産が必要なのか。アメリカ発の「FIREムーブメント」では、年間の生活費(年間支出)の25倍の運用資産があれば、あとは「年率4%」の運用益で生活費をまかなえると主張している。会計学博士の榊原正幸さんは「日本では“4%ルール”は荒唐無稽だ。アメリカを基準にした数字を信じてはいけない」という――。※本稿は、榊原正幸『60歳までに「お金の自由」を手に入れる!』(PHPビジネス新書)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/phongphan5922
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/phongphan5922

「FIREムーブメント」とは結局なんなのか

日本ではまだあまり耳慣れない人も多いかもしれませんので、「FIREムーブメント」とは何かについて説明します。

「FIRE(ファイア)」とは「Financial Independence: Retire Early」の略です。日本語にすると「経済的自立と早期退職」です。そして「ムーブメント」とは「動き」という意味です。「FIREムーブメント」とは、会社などからの収入に依存することなく、経済的な自立を確立して、人生における比較的早期の段階で会社を退職してしまい、自由に暮らそう! という動きのことをいいます。2000年頃に「ヤンリタ」といわれていたものと同じです。

この「FIREムーブメント」は、2010年頃からアメリカの「ミレニアル世代」の間で流行っているようです。

ミレニアル世代とは、2000年に20歳になった人たちと、それよりも最大15歳若い人たちの総称です。すなわち、1980年~1995年に生まれた人たち(2022年の時点で27歳〜42歳くらいの人)の間で、「できるだけ早く会社を退職してしまい、自由に暮らそう!」という気運が高まっていて、現在まで続いているということのようです。

「FIRE」を語るのに欠かせない「4%ルール」の由来

アメリカではこの「FIREムーブメント」を語る時に、必ず「4%ルール」(または「25倍ルール」)というものが出てきます。年間の生活費(年間支出)の25倍の運用資産を築き上げてしまえば、あとは「年率4%」の運用益で生活費をまかなえると考えるのです。

年間の生活費(年間支出)が仮に240万円なら、6000万円の運用資産を築き上げておいて、あとは毎年「年率4%」で運用していけば、(6000万円×4%=)240万円の運用益を得られるので、それで生活していけば、運用資産の総額はずっと減ることなく、一生働かずに生活していける、という考え方です。

では、ここでなぜ「年率4%」という運用利回りを前提にしているのかというと、アメリカの株式市場における代表的な指標である「S&P500」が、第二次世界大戦後の75年間の長期的な平均で、「年率7%」で上昇してきたという事実と、その同じ期間に物価上昇率が「年率3%」だったことを根拠として、株式市場に投資しておけば、差し引きで(7%−3%=)「年率4%」の利回りが誰でも得られるはずだ、というのです。

「投資さえしていれば総じて利回り年率4%」なわけがない

しかし、株式投資のことを多少は理解している私に言わせていただければ、こんな仮定は、あまりに乱暴だと言わざるを得ません。ちなみに、私も株式市場への投資は大賛成。それどころか、株式投資による資産運用を大前提としてしか、目標とする「60歳でのハッピーリタイア」は実現できないと断言します。


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