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日銀、物価高と円安の「二重苦」鮮明

日本銀行は27、28日に金融政策決定会合を開き、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示す令和4年度の消費者物価上昇率見通しを引き上げる方向で検討に入る。ウクライナ危機に伴う資源高や円安による輸入コスト増加の影響が22日発表の全国消費者物価指数でも鮮明となり、1%台後半に上方修正する案が有力視される。ただ、家計を圧迫して経済成長を下押しする「悪い物価上昇」のため、景気を支える大規模な金融緩和政策は維持する公算が大きい。

日本銀行の本店=東京都中央区(本社ヘリから)
日本銀行の本店=東京都中央区(本社ヘリから)

前回1月のリポートでは1・1%の物価上昇率見通しを示していた。だが、新型コロナウイルス禍からの経済回復に伴う需給の引き締まりに、その後のウクライナ危機と対露経済制裁による原油や穀物などの高騰が重なり、世界的な物価上昇の勢いは強まった。日本にとっては、インフレ抑制に向けて米欧が政策金利引き上げなど金融引き締めに動き、金利差が拡大するとの思惑から輸入コストを押し上げる円安も加速しており、物価の一段の上昇につながる構図となっている。

全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は携帯電話料金値下げの下押し効果が薄まる4月以降、日銀が目標とする2%への到達が現実味を帯びる。しかし、日銀が目指す賃金上昇を伴って物価が上がる好循環ではなく、中小企業や家計を圧迫する悪い物価上昇のため、今回のリポートでは実質国内総生産(GDP)の成長率見通しを前回の3・8%から引き下げるとみられる。

悪い物価上昇と円安の二重苦に直面する日銀は、大規模緩和で金利抑制を継続すれば円安進行に歯止めがかけられず、そうかといって金融政策を修正すれば景気の腰折れや、市場の混乱を招きかねない袋小路にはまっている。だが、足元の物価高の痛みには政府が緊急対策を講じるとはいえ、物価の安定は本来、日銀の役割だ。

市場には「(黒田東彦総裁が)従来通り円安のプラス効果を強調すれば、投機筋から円売り材料にされる」との声もあり、28日の決定会合後の会見での黒田発言が改めて注目される。

(高久清史)


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