• 日経平均27120.53128.32
  • ドル円144.76144.79

「ウィズコロナ」飲食店、期待と不安 蔓延防止解除1カ月

新型コロナウイルス対応の蔓延(まんえん)防止等重点措置が全国で解除されてから22日で1カ月。営業時間の短縮などが求められてきた飲食店には利用客が戻り始め、東京都は25日以降、人数制限の要請を緩和する。春の大型連休を前に、コロナとの共存を図る「ウィズコロナ」にかじを切り始めた形だが、感染再拡大の懸念はぬぐえず、飲食店関係者の間では期待と不安が交錯している。

蔓延防止等重点措置の全面解除から1カ月。多くの人が行き交う渋谷センター街=22日午後、東京都渋谷区(飯田英男撮影)
蔓延防止等重点措置の全面解除から1カ月。多くの人が行き交う渋谷センター街=22日午後、東京都渋谷区(飯田英男撮影)

「客足はコロナ前の3割」

重点措置の終了から1カ月が過ぎた22日、若者の街、東京・渋谷は活気が戻っていた。居酒屋「酒処 十徳 渋谷店」の調理長、松山修さん(58)によると、同店は重点措置の解除後、午後11時までの通常営業に戻し、措置期間中に比べ、利用客が2倍以上増加したという。

「40代以上の常連さんはコロナで来なくなったが、若い人が増え、客層がガラッと変わった」と話し、接待利用などで領収書を発行することも減ったと明かした。

それでも、感染拡大前の水準には戻っていない。松山さんは「希望は見え始めたが、まだ客足はコロナ前の3割ほど。野菜や魚の仕入れ値も上がっている」と話した。重点措置の解除で時短営業に対する協力金がなくなり、厳しい経営状況は変わらないという。

同じく渋谷にある居酒屋「山家」は重点措置解除後、通常の24時間営業に戻した。店長の倉橋初さん(69)によると、週末は利用客が増え、コロナ前に戻りつつあるが、平日の客足は伸び悩んでいる。

本店と支店の2店舗をあわせて従業員は約60人。コロナ禍で経営が苦しくなっても解雇はせず、銀行から融資を受けながら営業を続けてきた。倉橋さんは「また変異株が出て、重点措置の適用などがあると厳しい」と不安も漏らした。

サラリーマンの街、東京・新橋にある「根室食堂 新橋店」もコロナ前の客足が戻りつつある。今月中旬ごろから送別会の利用など、予約も増えているという。ただ、店長の平山徳治さん(50)は「マスクを外したり、大きな声で話したり、感染対策の意識も変わってきている」と懸念も口にした。

重点措置の終了で深夜の時間帯まで繁華街に人出が戻ってきたことは、データでも裏付けられている。

システム会社「アグープ」がスマートフォンの位置情報から算出した滞在人口を基に渋谷センター街の午後10時台の人出を分析したところ、流行「第6波」のピークを過ぎた3月初旬ごろから人出は増加。同月1~7日を100とすると、重点措置解除直前の15~21日には125まで増え、解除後の4月5~11日は145・2、12~18日は138・8に上った。

新規感染者数は高止まり

ただ、都内では重点措置の解除後も日々の新規感染者数は高止まりしている。オミクロン株の主流系統「BA・1」から、より感染力が強いとされる派生系統「BA・2」への置き換わりが進み、22日の新規感染者は5000人を超えた。コロナ病床の使用率は、6割に迫ったピーク時からは大きく下降したが、4月に入ってからも2割台が続く。

都は旅行やレジャーなどで人の動きがさらに活発化するとみられる大型連休を前に、マスクの着用や手洗いなどの基本的な感染防止対策の徹底と、ワクチンの早期接種を呼び掛ける。20日時点で、65歳以上の高齢者のうち3回目の接種を終えた人は84・4%に上るが、都民全体では49・7%。小池百合子知事は22日の記者会見で「特に若年層の3回目接種率が低いので、大型連休前にぜひ受けてほしい」と話した。

(本江希望、橘川玲奈、大森貴弘)


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)