6割がマネーリテラシーに「自信なし」 「給料上がらず・不景気・物価上昇」で学びたいニーズ急増

    約6割のビジネスパーソンが「自分のマネーリテラシー(お金の知識)に自信がない」と感じている実態が、人材紹介サービスを手掛けるワークポート(東京都品川区)の調査で分かった。他の先進国と比べ「最低クラス」とされる日本人のマネーリテラシーの実情が浮かび上がった格好だ。一方で、「給料が上がらないから運用で増やすしかない」「原材料の価格が高騰し、対策を打たないとお金が貯まらない」といった悩みから、8割以上の人がマネーリテラシーについて学びたいと考えている様子も明らかになった。

    生活を守るには自分のマネーリテラシーを高めるしかない?(Getty Images)※画像はイメージです
    生活を守るには自分のマネーリテラシーを高めるしかない?(Getty Images)※画像はイメージです

    知識に自信ないが情報収集もせず

    調査は4月中旬、同社のサービスを利用している全国の20~40代のビジネスパーソン262人を対象に実施。その結果、「自分のお金の知識に自信があるか」との問いに「まったくない」と答えた人が13.7%、「あまりない」は46.9%で、合計60.6%の人が「自信がない」と回答した。

    (ワークポート調べ)
    (ワークポート調べ)

    また、「お金について日々情報収集しているか」を尋ねたところ、53.8%の人が「情報収集していない」と回答。知識不足を自覚しつつも、半数以上の人が情報収集の習慣を持っていなかった。

    「情報収集をしていない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「興味がない」「不要」など、そもそも必要に迫られていない人も多数見受けられたが、「難しそう」「どのように情報収集すべきかわからない」「時間がない」といったことがネックになっている声も寄せられた。「お金の知識=難しい」というイメージから苦手意識を抱き、敬遠する傾向もうかがえた。

    「情報収集している」と回答した人に、具体的にどこから情報収集をしているかを尋ねると、インターネットや新聞、テレビ、書籍という声が8割程度を占めた。インターネットでは動画サイトやSNSを挙げる人も多く、他者がまとめた二次情報から知識を得ている人も少なくなかった。

    お金に関するニュースで注目度の高いトピックスは、「日米の金利差拡大による円安・ドル高」「日本の値上げラッシュ」「ロシア関連の経済的影響」など。特に、ウクライナ侵攻によるロシアへの経済制裁の影響に関心を寄せる人が多かった。

    8割が現状や将来の生活に不安

    これまで体系的に「お金の知識」について学ぶ機会があったかどうかについては、全体の75.6%が「なかった」と回答した。これに対し、学ぶ機会が「あった」と回答した人に「学んだ場」について尋ねたところ、大学や専門学校などのほか、「職場」(金融機関など)や「資格取得のための講座・セミナー」などの回答が目立ち、受動的に学ぶというよりも必要に迫られて学ぶ機会を作っていた人がほとんどだった。

    対象者全員に「お金の知識」の習得意欲について尋ねたところ、「もっと身につけたい」という回答が83.6%と大半を占めた。その理由は「給料だけでは生活していけないほど生活が苦しい」という現状の生活に対する不安や、老後への不安から資産形成や投資の知識を身につけたいと考える人が多かった。収入だけでは貯蓄や資産形成が難しい現実に直面し、漠然とした不安を抱いている人も。知識不足から機会損失をしないためにも、今のうちから勉強しておきたいと考える人も少なくないようだ。


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