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高い戦闘力・アゾフ大隊 露は「ネオナチ」批判

ロシアのプーチン大統領が21日、一方的に制圧に成功したと宣言したウクライナ東部マリウポリに位置するアゾフスタリ製鉄所で、2000人規模のウクライナ側部隊が頑強に籠城を続けている。内務省傘下の準軍事組織「アゾフ大隊」はウクライナ正規軍とともに、露軍に徹底抗戦している。

整列するアゾフ大隊の志願兵=2015年1月、ウクライナ・キーウ(ロイター)
整列するアゾフ大隊の志願兵=2015年1月、ウクライナ・キーウ(ロイター)

ソ連時代に建設された同製鉄所の地下は多数のシェルターやトンネルにつながり、最大4000人が収容可能とされる。多数の民間人が逃げ込む中、大隊は露軍の猛攻撃に耐えつつ、製鉄所を防衛している。

アゾフ大隊は2014年5月、ウクライナの複数の極右グループを基盤として発足。アゾフ海に面するマリウポリが拠点だ。現在のメンバーは900人程度とみられる。ロシアが同年3月、ウクライナ南部クリミア半島を併合し、露側の支援を受けた親露派武装勢力が東部支配を拡大させたことが設立の背景にある。

軍が脆弱(ぜいじゃく)だったウクライナでは当時、新興財閥(オリガルヒ)が民兵組織を相次ぎ立ち上げる動きが拡大。東部を基盤とする富豪らの支援を受け設立されたのがアゾフ大隊だ。激しい戦闘スタイルで知られるアゾフ大隊は創設直後、親露派に一時的に支配されたマリウポリの奪還に貢献。高い戦闘力を見込まれ、内務省の部隊となった。

アゾフ大隊の創設者は白人至上主義者として知られたが、14年にウクライナ最高会議(議会)選挙で当選して議員となり、大隊からも離れた。新規加入が相次ぐなか、極右思想を持つメンバーが一定割合いるとの指摘もあるが、思想の多様化が進んでいるとされる。

ウクライナ侵攻について「ネオナチからの解放」が目的だと主張するロシアは、アゾフ大隊をプロパガンダ(政治宣伝)の格好の材料として利用してきた。露軍はマリウポリの産科や劇場を攻撃した際には「アゾフ大隊が基地として利用していた」(ラブロフ外相)などと主張し、民間人攻撃を正当化した。

一方、大隊はロシアこそが「21世紀の本物のナチス」と批判する。制圧の危機にさらされるなか、国家の防衛という点で多様な勢力が一致しているのが現在のウクライナの現状だ。(黒川信雄)


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