北海道の知床半島沿岸で23日昼過ぎに発生した観光船の浸水事故について、水難学会の斎藤秀俊会長は「現場上空の映像からは浮遊物や油の痕跡などは確認できず、現時点では観光船が沈没したとは認められない。どこかで漂流していることも考えられる」とした上で、「『船体が30度ほど傾いている』という連絡が事実であれば、岩礁などに接触し、座礁して船体に穴が開いたということが可能性として最も考えやすい」と話す。
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船が沈み始めた場合には、救命胴衣を着けて海面に飛び込むのが通常の避難行動だが、海水温が4~5度程度と低い場合には、1時間程度で生命が危険な状態となる。「一般論としては、ギリギリまで船内にとどまることも考えられ、避難には難しい判断を迫られる」と説明。「26人が乗船しており、近年でも規模の大きな海難事故。乗客の安否を含め、捜索の状況を注意深く見守る必要がある」と話した。