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首相会見詳報

(4)防衛費増加「あらゆる選択肢排除せず」

会見に臨む岸田文雄首相=26日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見に臨む岸田文雄首相=26日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

=(3)から続く

--経済対策の財源として、参院選後の臨時国会では新しい補正予算を組むのか。

「先ほど申し上げたように、6月までに新しい資本主義のビジョンと実行計画、そして今年の骨太方針2022。これを取りまとめたいと思っています。そうしたものを明らかにした上で、具体化するのは、参院選後、総合的な方策を具体化するということを考えております」

「内容についてあらかじめ申し上げることは控えますが、新しい資本主義のさまざまな実現に向けた施策。これをしっかりと進めていく。また、エネルギー分野などにおいても、2050年のカーボンニュートラルなどを考えましたときに、経済社会の構造変化にも取り組んでいかなければいけない。こういったこともしっかりリードしていけるような方向性をしっかり示していきたいと思っています」

「それで、補正予算を組むかという話ですが、しっかりとした方策をしっかり示した上で、そしてその必要とする財源についてはしっかりしたものを示した上で考えていくというのが順番でありますので、今申し上げたものをしっかり示していただき、国民の皆さんに理解していただく。これが重要であると考えております」

--大型連休中に東南アジアと欧州を訪れる外遊の調整状況は。5月の日米豪印4カ国の枠組み「クアッド」首脳会合と、6月にドイツで行われる先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)でどのような外交を展開したいか。

「まず今回のロシアによるウクライナ侵略は力による一方的な現状変更の試みであり、欧州のみならずアジアを含めて、国際秩序全体を揺るがす行為であり、このような試みはインド太平洋とりわけ東アジアにおいて許してはならない。このように考えます。こうした考えに基づいて、首脳外交を展開していきたいと思いますが、日米豪印の首脳会合、さらにはバイデン米大統領の訪日。こうした日程については、今実施に向けて調整中であります」

「また6月下旬にはドイツでG7サミットが予定されています。こうした機会を活用して、ぜひ平和秩序を守り抜く。この首脳外交これを戦略的に展開をしていきたいと考えています。欧米諸国に対しては、G7を中心にしっかりとした連携を確認することは大事であり、またアジア諸国に対しては、引き続きこうした国際秩序のありようが問われている。こうした問題意識について、しっかりと働きかけをさせていただき、国際社会の連携の重要性。こうしたものについて、理解を広めていかなければならない。こうした国際世論をリードしていく。こうしたことも重要であると認識いたします」

--ドイツはロシアのウクライナ侵攻を受け、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げる方針を示した。自民党が先般まとめた提言では、国内総生産(GDP)比2%以上の防衛費目標を念頭に、5年以内に防衛力強化に必要な予算水準を目指すとした。2%目標を設定する考えはあるか。

「まずロシアによるウクライナ侵略を受けて、ドイツもはじめさまざまな国々でいろいろな動きが見えます。そして、わが国においても自民党内においても新たな国家安全保障戦略などに関する議論。これが精力的に進められています。今後、この新たな国家安全保障戦略の策定に取り組む中で、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討を行い、そして、防衛力は抜本的に強化していかなければならないと思います」

「まず、この行うべきことは、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか。これをしっかり具体的に現実的に議論し、そして、それをしっかり積み上げていくことであると思います。そして、その結果、必要とされるものの裏付けとして予算をしっかり用意しなければならない。こうしたものの考え方の順番で、予算のしっかりとした確保を考えていきたいと考えております」

「いずれにせよ、何が国民の命や暮らしを守るために必要なのか、この具体的な現実的な議論をこれからしっかり行っていくことが重要であり、それを行った上で、裏付けとなる予算をしっかり確保する。こうした取り組みを政府としても進めていきたい、このように考えています」

=(5完)に続く


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