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日本発の半導体技術が医療に革新 CTの放射線量を100分の1に

今年のITEMで「低被曝」を強調した展示を行ったのはシーメンスヘルスケアだけではない。フランスの医療機器メーカー「EOS imaging(イオス・イメージング)」の医療用画像システムも照射するX線を少なくしつつ、X線光子を増幅させることで詳細な立体画像を合成する技術を採用。日本での販売を担っているエダップテクノメドの大山智之氏は「先天性の病気の診断や治療などで子供のころからX線を浴びていると、大人になってからがんの発生率が高まるという研究もある。医療被曝の問題は決して軽視すべきではない」と警鐘を鳴らす。

フランスの医療機器メーカー「EOS imaging」の医療用画像システムで撮影した3D画像(エダップテクノメド提供)
フランスの医療機器メーカー「EOS imaging」の医療用画像システムで撮影した3D画像(エダップテクノメド提供)

■長期的な視野の戦略が重要

また、アクロラドが放射線医療で示した確かな技術力は、日本の産業戦略策定にとっても重要な意味を持つ。

アクロラドは1984年に設立されたクレスト電子と、旧ジャパンエナジー(現ENEOSグループ)の研究開発部門が前身。1988年からカドミウムテルライドの研究に着手しており、ネオトムアルファは30年以上にわたる研究開発が医療現場に変革をもたらす製品として新たな実を結んだ形だ。

アクロラドは2012年にシーメンス傘下に入っているが、生産拠点は沖縄県にあり、日本経済に貢献している。さらにテルル化カドミウム半導体は人工衛星に搭載されるカメラにも使用されるなど、さらなる用途の拡大も期待されている。

日本の半導体メーカーは近年、インテルを筆頭とする米国勢や韓国サムスン電子、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)などの後塵を拝し、世界市場で存在感を失い続けてきたと問題視されてきた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻で国際情勢が激変する中、国と企業の双方が長期的な視野に立った戦略を持つことが重要だといえる。


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