憲法に「緊急事態宣言」規定を 医療、経済界の有志が提言

    国会議事堂=東京都千代田区(春名中撮影)
    国会議事堂=東京都千代田区(春名中撮影)

    感染症と自然災害に強い社会を目指す医療や経済界の有志による「ニュー レジリエンス フォーラム」(共同代表・横倉義武日本医師会名誉会長)が26日、国会内で会合を開いた。平時と緊急時の対応を円滑に切り替えるため、政府による「緊急事態宣言」を憲法に規定することを求める提言をまとめた。近く岸田文雄首相に申し入れる方針。

    提言では、「憲法に規定された緊急事態宣言に基づき、災害対策基本法や感染症法などのすべての関係法令が平時から緊急時のルールに移行できるよう法整備する」と明記。その上で「行政担当者が『違憲の疑い』に躊躇(ちゅうちょ)せず、法律に定められた緊急措置を行えるようにする」とした。

    また、緊急事態宣言が発令された際、国会による予算措置に時間を要する場合は、「緊急財政支出」を臨機応変に行えるようにすることも盛り込んだ。

    会合に出席した自民党の高市早苗政調会長は「リスクの最小化に向けて国会で議論し、取り組んでいかなければいけない。つまるところは憲法というのが結論だ」と強調。医師免許を持つ自民の松本尚衆院議員は、「平時のルールで緊急時に対応することには限界がある。緊急時の態勢をルールとして持っておくことが必要だ」と訴えた。

    会合には、自民のほか、公明党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の政策担当者も出席した。


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