国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は26日、専門家の支援団を率いて、ロシア軍が一時制圧したウクライナ北部チェルノブイリ原発を訪れた。ウクライナのメディアが伝えた。状況把握や、データ送信が停止した監視システムの復旧、機材提供などが目的。この日はチェルノブイリ原発事故から36年の節目に当たる。
グロッシ氏自ら訪問することで、ロシアの攻撃が続くウクライナにある原子力関連施設の安全確保の重要性を改めて訴えたい考えだ。
フランスのメディアによると、グロッシ氏は報道陣に対し「放射線レベルは正常だ」と述べた。
グロッシ氏は22日の声明で、この日の訪問について「原発の規制や管理を回復しようとするウクライナを支える上で非常に重要だ」と強調していた。
ロシア軍は2月24日のウクライナ侵攻直後にチェルノブイリ原発を制圧。ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは3月31日、ロシア軍が撤退しウクライナ側が管理を取り戻したと発表した。(共同)