• 日経平均26405.87170.62
  • ドル円132.67132.68

大手電力、5社赤字 燃料高騰で収益圧迫 22年3月期、影響長期化も

大手電力10社の2022年3月期連結決算が28日出そろい、東北、中部、北陸、中国、四国の5社の純損益が赤字に転落した。残り5社は減益だった。ロシアのウクライナ侵攻で火力発電の燃料に使う液化天然ガス(LNG)や石炭などの価格が高騰して収益を圧迫した。燃料高の影響は長期化する恐れがある。

東北電力は3月の地震で損傷した火力発電所の復旧費用も計上し、9年ぶりの赤字に転落。北陸電力と中国電力は連結決算を始めた1995年3月期以来、最大の赤字額となった。中部と四国の両電力会社はいずれも8年ぶりの赤字だった。

東京電力は純損益で56億円の黒字を確保したものの前期比96・9%減となり、2年ぶりの減益だった。競争の激化による販売電力量の減少も響いた。関西電力も21・2%減の858億円となり、減益は2年連続。北海道、九州、沖縄の3電力会社も大幅減益となった。

関西電を除く9社は、高騰する資源価格の動向や販売電力量の見通しが不透明として、23年3月期の業績予想の公表を見送った。関西電は燃料費の上昇や原発の稼働率低下の影響で、純損益は750億円の赤字を見込んだ。赤字となれば8年ぶり。


Recommend

Biz Plus