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対日改善急ぐ韓国次期政権 米圧力背景に 訪日の代表団帰国

【ソウル=時吉達也】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が日本に派遣した政策協議代表団が28日、5日間の日程を終え帰国した。日韓関係改善を促す米国の圧力を背景に、代表団は対日懸案解決への意欲を強調。文在寅(ムン・ジェイン)現政権との違いをアピールした形だ。しかし、韓国の専門家らは国内の事情から、早期の接近は望めないとの見方を強めている。

「われわれの面談申請を断った方はいませんでした。日本側の誠意を感じました」。代表団団長を務めた次期与党「国民の力」の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長は、岸田文雄首相との面会を終えた26日、SNS(交流サイト)を通じ関係改善への手ごたえを強調した。

代表団は岸田首相をはじめ、政財界の要人20人以上と面会。昨年1月に着任した姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使が、首相はおろか外相とも会談できていない文政権と比べ、「日本の態度が明確に違う」(東亜日報社説)と韓国内で驚きの声が上がる。

「韓日関係がこれ以上悪化することを放置したままにはしないと(日本側に)返答した」。鄭氏は日本滞在を通じ、日本側を刺激しない穏当な発言が目立った。「低姿勢」で臨んだ背景には、米国による圧力の影響もうかがえる。

米国は2月に公表した「インド太平洋戦略」で、北朝鮮問題を含む懸案の対処には日韓の緊密な連携が欠かせないと強調。日本、韓国の順番になることが多い米大統領の東アジア外遊で、今回は順番を逆にする代わりに、韓国側に対日関係改善への努力を促した。

米国は6月末にスペインで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に日韓を招請する方針。尹氏を含む日米韓の首脳が初めて一堂に会する可能性があり、米側には中露に対する牽制(けんせい)に加え、日韓の対立緩和にも活用する構えだ。

ただ、韓国国内では現在、検察改革や次期政権の閣僚人事をめぐる与野党対立が深刻化。6月の統一地方選前に日韓協議を進展させれば「政局に利用され、日本への反発が強まるだけだ」との声もある。

さらに、国民大の李元徳(イ・ウォンドク)教授は「『徴用工』の解決には日本と市民団体の両方との交渉が必要になるが、後者への働きかけがまったく進んでいない」と指摘。「日本側と拙速に約束し、次期政権が国内の反発を受けてそれをほごにするようなことがあれば、両国関係はむしろ悪化する」として、対日交渉をより慎重に進めるべきだとしている。


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