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新型コロナ 封鎖続く中国、緩和進む米欧韓

全世界で累計620万人以上が死亡した新型コロナウイルスに関し、中国と米欧などの対応が大きく二分している。「ゼロコロナ」政策を堅持する中国が上海など各地でロックダウン(都市封鎖)を続けるのとは対照的に、米欧や韓国では、ワクチンの普及などで危機的状況を脱したとの認識が広がる。一方、ウイルスの変異やワクチン効果の低減による再流行への懸念も依然として根強い。

新型コロナ感染疑い例が出た集合住宅の出入り口を封鎖する防護服姿の担当者ら=4月28日、北京市朝陽区(共同)
新型コロナ感染疑い例が出た集合住宅の出入り口を封鎖する防護服姿の担当者ら=4月28日、北京市朝陽区(共同)

封鎖こだわる中国

中国全土の1日あたりの新規の市中感染者数は4月には、無症状を含めて連日おおむね1万人超の水準。湖北省武漢で感染が拡大した2020年2月以来の流行期にあり、中国最大の経済都市・上海では3月末からロックダウンが続く。

野村国際(香港)の調査では、4月11日の時点で中国の45都市が全面または部分的な都市封鎖を実施。45都市の住民の合計は全人口の26・4%にあたる。

習近平国家主席はゼロコロナ政策の継続にこだわり、4月29日に主宰した共産党の会議で「堅持し、人民の生命と健康を最大限守らなければならない」との方針が強調された。習氏の長期体制を目指す党大会を控え、抜本的な方針転換は求心力の低下に関わるという事情がうかがわれる。

ただ、中国の感染症対策の第一人者である鍾南山(しょうなんざん)氏は4月上旬、経済・社会の正常化のためにはゼロコロナ政策を「長く続けることはできない」と指摘する論文を発表。中国経済の減速懸念が増す中、習政権にとり「脱ゼロコロナ」は難題となっている。

規制緩む米欧韓

一方、欧州連合(EU)加盟各国や米国では、マスク着用義務などの規制の撤廃や緩和が着実に進む。

EUのフォンデアライエン欧州委員長は4月27日の声明で「パンデミック(世界的大流行)は緊急対応から持続可能な管理という新局面に入りつつある」と述べた。バイデン米政権のファウチ首席医療顧問も米紙ワシントン・ポストに「(米国は)最悪の爆発的パンデミックから脱した」との認識を示した。

こうした中、米南部フロリダ州の連邦地裁は、バイデン政権により導入された公共交通機関でのマスク着用義務を「違法」と判断。これを受け航空大手や全米鉄道旅客公社(アムトラック)が乗員・乗客のマスク着用義務を撤廃したほか、米配車大手のウーバーやリフトも追随し、「マスク離れ」が加速している。

韓国では4月18日に飲食店での会食人数制限といった規制の大半が解除された。5月2日からは屋外でのマスク着用も義務でなくなる。ソウルの繁華街には深夜まで人があふれ、2年ぶりにコロナ以前の活況を取り戻している。

「ガラっと雰囲気が変わりました」。ソウル市内で日本式居酒屋を経営する日本人女性は笑顔を見せた。

3月に一時60万人を超えた1日当たりの新規感染者数も最近は5万人前後で推移し、減少傾向にある。韓国政府は新型コロナについて感染症指定の最高レベルから等級を下げた。5月下旬にも感染者らの隔離義務をなくす方針だ。

消えぬ再流行の懸念

だが4月中旬、オミクロン株の派生型「XE」などの初感染が確認された。今秋の再流行も予想され、防疫当局者は「規制解除が流行収束を意味するわけではない」と注意を促した。

各国は高齢者らを対象にワクチンの4回目接種を進めるが、その効果への疑義も出ている。

イスラエル工科大が米ファイザー製ワクチンの4回目接種を受けた60歳以上を対象に分析したところ、4回目接種の1カ月後のオミクロン株への感染リスクは3回接種者に比べ半減するものの、2カ月後には差がなくなったという。

ワクチンは感染対策の切り札とされるだけに、「ウイルスとの共生」の前途の険しさが改めて浮き彫りとなったといえる。(北京 三塚聖平、ソウル 桜井紀雄、ニューヨーク 平田雄介)


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