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ウクライナからの避難民支援 長期化で自治体負担に懸念も

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって2カ月が過ぎ、500万人超が同国からの避難を余儀なくされる中、日本への避難民は700人を超えた。国内の受け入れ自治体は公営住宅の提供など独自の支援で対応しているが、避難民の増加や長期化などで財政負担が増す恐れもある。現場からは政府による財政的なバックアップを求める声が上がる。

「安全な日本に来られて本当にホッとしているし、支えてくれた全ての人に感謝している。可能な限り日本で暮らしたい」。ウクライナの首都、キーウ(キエフ)出身のバレエ講師、ヴェルラン・ユリーアさん(34)は、硬い表情のまま語った。

4月16日、東京都武蔵野市の知人を頼って日本に避難した。ただ、母親(58)はウクライナの隣国、ハンガリーにとどまったまま。ユリーアさんと違い日本に縁がなく、距離の遠さから来日に抵抗があったという。「できたら母にも来てほしい」。ユリーアさんは言葉を絞り出した。

東京都はユリーアさんのように戦火を逃れて日本に来た人に都営住宅を無償で提供している。4月26日現在、21家族42人が入居する。このほか、都が用意したホテルに待機中で、今後入居を予定する人は10組17人。ユリーアさんはこれとは別に自らホテルを借りているが、5月中旬以降、都営住宅に移り住む見込みだ。

都は当面の日常生活を支援するため、都営住宅には冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの家電を用意するほか、調理用具や皿、洋服などの日用品も提供している。生活困窮者支援事業費や都営住宅の修繕費を充てており、都の担当者によると、負担額はすでに1千万円前後に達している可能性があるという。

都が用意した窓口には、住宅に関する相談だけで300件弱(4月26日現在)が寄せられた。政府や日本財団は避難民に直接支給する生活支援金制度を設けているが、自治体の支援策は対象外となっている。

ウクライナ南部の港湾都市、オデッサと姉妹都市の横浜市。共に先の大戦による戦災から復興した港湾都市として、50年以上にわたり関係を結んできた。4月28日現在、少なくとも21家族40人が知人宅などに滞在する。このうち2人は市が提供した市営住宅に住む。

市は生活一時金(1人20万円)や当面の生活費に加え、市営住宅には家電やインターネット環境など手厚く整備する。家電大手のノジマなど市内に本社がある企業の寄付で賄っており、今のところ市の大きな財政負担はない。

とはいえ、現時点で新たに10家族から避難の相談が寄せられており、避難民は増える可能性が高い。支援チームの江成政義・担当課長は「今後も増加が続けば企業の負担は高まり、同じ対応が難しくなるかもしれない。自治体が担っている生活サポートなどを含め、国には幅広い財政支援の枠組みを早急に示してほしい」と述べた。


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