日越首脳会談始まる 対中連携強化で一致へ

    ベトナム・ハノイのノイバイ国際空港に到着した岸田文雄首相=4月30日(共同)
    ベトナム・ハノイのノイバイ国際空港に到着した岸田文雄首相=4月30日(共同)

    【ハノイ=杉本康士】ベトナムを訪問中の岸田文雄首相は1日、ベトナム首相府でファム・ミン・チン首相と会談した。南シナ海で中国と領有権を争うベトナムとの間で、同海域や東シナ海で力による一方的な現状変更に反対することで連携を強化することで一致。ベトナム軍の能力構築支援を強化することも確認するほか、ロシアによるウクライナ侵攻についても協議する。

    会談ではサプライチェーンの多元化やデジタルトランスフォーメーション(DX)で協力を強化することでも一致。技術革新を含む経済分野での連携についても協議する。

    ウクライナ侵攻に関しては、日本が先進7カ国(G7)で歩調を合わせる形で厳しい経済制裁を科しているのに対し、ベトナムは国連総会のロシア非難決議で棄権し、国連人権理事会からロシアを追放する決議案では反対に回っている。 ベトナムは旧ソ連時製兵器の購入などを通じてロシアと安全保障面でのつながりが強いためだ。

    岸田首相は対露圧力の強化に向けてベトナム側に理解を求める考え。30日夜に行われたチン首相主催の夕食会では「ウクライナ侵略は欧州のみならずアジアを含む国際秩序の根幹を揺るがしている」と非難。ベトナムが対米戦争や中越紛争など数々の戦乱をくぐりぬけてきたことを念頭に「平和の重要性を身をもって感じているベトナムと手を取り合っていきたい」と呼びかけた。

    チン首相との会談後、首相は「技術確信・DX・サプライチェーン多元化における日越協力に関するセミナー」に参加。グエン・スアン・フック国家主席、ヴォン・ディン・フエ国会議長、グエン・フー・チョン・ベトナム共産党書記長とも会談する。


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