ロシアのプーチン大統領は4月30日、侵攻したウクライナの東部ドンバス地域の親露派実効支配地と、ロシア軍が制圧した地域に居住する第2次大戦の従軍経験者に1万ルーブル(約1万8千円)の一時金を支払うよう政府に命じる大統領令に署名し、攻略を進める南東部一帯の支配を固める姿勢を鮮明にした。
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ロシアは軍事作戦で制圧した各地にウクライナ側行政府に代わる「軍民政権」を樹立。州知事や市長を一方的に任命し、行政権の掌握を進めている。大統領令には、ナチス・ドイツへのソ連の勝利を祝う5月9日の対ドイツ戦勝記念日を前に従軍経験者らの支持を得ておきたい考えがあるとみられる。
南部ヘルソン州の軍民政権は5月1日からロシアの通貨ルーブルを流通させると表明。タス通信によると、ロシア軍が一部を制圧したザポロジエ州の港湾都市ベルジャンスクでも、ロシア側に任命されたサウレンコ市長代行が4月30日、近く給与や年金をルーブル払いに移行すると表明した。(共同)