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【アジアの今】ミャンマーで広がる強制両替の波紋 外国企業撤退が加速

軍政が続くミャンマーで、国軍などでつくる軍評議会傘下のミャンマー中央銀行が命じた強制両替が波紋を呼んでいる。外国からの外貨送金のほか国内の外貨預金を強制的に自国通貨チャットに両替させるもので、多くの銀行で海外送金の手続きが停止された。取引決済を見送る外国企業が続出し、ミャンマーからの撤退を加速させる可能性もある。

南部「ダウェー経済特区」予定地。外国企業の入居はおろか開発も進んでおらず、強制両替の軌道修正も限定的だ。=2020年2月、
南部「ダウェー経済特区」予定地。外国企業の入居はおろか開発も進んでおらず、強制両替の軌道修正も限定的だ。=2020年2月、

中銀の指示通達は4月3日付。国内の銀行口座に入金された外貨を1営業日以内にチャットに両替するよう命じるもので、事業者だけでなく、外国人を含む全ての個人の外貨資産も強制的に両替される。米ドルについては1ドル=1850チャットと指定されたが、市中の闇市場では2000チャット台での取引が常態化している。

軍政が強制両替を中銀に指示させたのは、昨年2月のクーデター以降、国際社会による経済制裁や外国企業の撤退などから外貨不足に苦しんでいるからだ。資源や機械・家電、食料品などの多くを輸入に頼っているミャンマーにとって、外貨による決済は国庫への大きな痛手となっている。少しでも外貨の流出を防ぎたいというのが狙いだ。

同様の外貨政策として、ウクライナに侵攻したロシアのケースがある。ロシアでは今年3月、国民に外貨両替が禁止されたほか、自国産天然ガスの代金をルーブルで支払うよう求める大統領令が発効している。ただ、国内の外貨預金は規制の対象としておらず、ミャンマーの対応の厳しさが際立っている。

こうした事態に、在ミャンマーの米国、欧州、日本などの商工会議所が懸念を表明し、政策の見直しを求めた。これを受け中銀は、投資委員会の認可に基づく直接投資企業のほか、国内に3カ所ある経済特区に入居する企業などは除外するとの声明を発表。わずかに軌道修正を図ったが、なお多くの外国企業と個人が強制両替の対象として残ったままだ。

(在バンコクジャーナリスト・小堀晋一、写真も)



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