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「がんは見つかる20年前から体の中にある」医学部並みにレベルの高い慶應女子高の保健授業の中身

PRESIDENT Online

今や日本人の2人に1人が「がん」になる時代。無敵とも思える「がん」から身を守るにはどうすればいいのか。慶應女子高の保健授業で医学部並みの内容を展開していた内科医の菅沼安嬉子さんは「がんは環境が揃わなければ発病しない。身を守るためには、予防知識を持つことが必要」という――。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/undefined
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※本稿は、菅沼安嬉子『私が教えた 慶應女子高の保健授業 家庭で使える大人の教養医学』(世界文化社)の一部を再編集したものです。

■令和の時代も死亡原因ナンバー1は「がん」

がん(癌)は、1981年から日本人の死亡原因の第1位を占めています。昔の人は結核や肺炎の感染症で死亡し、その後、脳出血や脳梗塞といった脳血管障がいが1位になりましたが、21世紀になってもがんは1位の座を守り通しています。

日本人のがん死は増え続けていて、4人に1人から3人に1人の割合になりつつあります。ですから、周りにはがんになった人がたくさんいるわけで、おじいさんは肺がんだったとか、お母さんが乳がんの手術をしたとか、お父さんが検診で胃がんだといわれた等と聞くようになったのです。死ななくても2人に1人ががんになる時代になりました。

「保健」は、体の構造や働きを知って、一生涯を健康に過ごせるように、病気の予防知識を勉強する科目です。エイズや生活習慣病にならないための予防知識も含まれます。ところが、日本人の3分の1ががんで死ぬ時代に、「がん」について特別の授業枠を設けていなかったのは、発生の解明がすっかりなされていなくて、予防について教えにくかったからかもしれません。

■「がん」の要因の3分の2は生活習慣によるもの

近年、イギリス、アメリカ、日本等のがんを研究する学者たちの努力によって、がんの要因の3分の2は、生活習慣によって起こってくることがわかってきました。

がんは、遺伝子(DNA)のキズから始まります。ただ、がんになりやすい遺伝子を持っていても、環境が揃わなければ発病しないので、若いうちに予防知識を持つことは絶対必要だと私は考えています。

がんになるのはお年寄りが多いので、若い人は自分にあまり関係がないと考えていると思います。年をとってくると、DNAの傷の修復にエラーが起こりやすいので、年を重ねるほど、がんが起こりやすくなることは確かです。ところが、1個のがん細胞が誕生してから1gのがんになるまでに約20年かかるのです。40歳くらいでもがんになる人がいることを考えると、若いうちに勉強しておいて早すぎることはありません。

ここでは全般的ながんの話や予防についてまとめました(個別のがんについては書籍をご覧ください)。

ちなみにがんは、日本語では癌、英語はcancer、ドイツ語はKrebs。すべてカニの意味です。がんの浸潤の形が、カニが足を伸ばしたように見えることから、この名前がつきました。

中学の時に母親をがんで亡くした生徒がいた学年では、その子に「大丈夫?」と聞きましたら知りたいというので授業は続けました。


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