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たまには強気で「突き放す」戦略が、上司の“魅力”を光らせる

《今回の社長を目指す法則・方程式:「レス・イズ・モア効果、他」》

上司の皆さんが最近、最も留意していることは「パワハラ」ではないでしょうか? ひと昔前なら(良くも悪くも)当たり前だった叱り方が、ともすると「それ、パワハラですよ」と言われかねない時代。これ、言ってよいだろうか? こんなこと言ったら、嫌われるかな? 問題にならないだろうか? 部下と話すこと自体にハラハラドキドキしている上司が増えていると聞きます。「すべてを受け入れて」「寛容に」という優しさがよしとされる今、あえて逆張りのコミュニケーションで上司として光ってみませんか?

あえて逆張りのコミュニケーションで上司として光ってみませんか?(Getty Images)※画像はイメージです
あえて逆張りのコミュニケーションで上司として光ってみませんか?(Getty Images)※画像はイメージです

冷たく接して、ブランドを獲得?!

従業員もお客さまとして扱うべし、などと言うことがありますね。接客の基本は「お客さまは神様」。ホスピタリティある対応を心がけよと、ショップでもホテルなどでも教育されます。

ところが、これが逆効果になるという研究結果があるのを、ご存知でしょうか。

サザンメソジスト大学、モーガン・ワード教授の調査によれば、こと高級ブランド店や高級レストランにおいては、接客で店員が「冷たく」接したほうがお客さまはその店の商品やサービスに対して高級感やブランド、洗練を感じるようになる。好ましい印象を持つようになることが分かったのです。

高級ブランドアパレルショップでは店員が冷たい接客をすると、商品はファッション性が高いと評価され、「ぜひこの服を着たい!」という気持ちを高めるのです。

質・レベルの高さを感じる印象は、歩み寄り・迎合に反比例する。

もしあなたの率いるチームが、高付加価値の商品やサービス、高度なソリューションを扱う事業や部署だったりするならば、この戦略が効果的かもしれません。

そうした組織のメンバーたちは、上司のあなたが手取り足取り、親切丁寧に「接客」してくれることで、逆に上司としてのブランド感を落としているかも? それよりも、少し距離を置いて、あえてこちらからは関わらずで接したほうが、「○○課長、できるな」「**部長、さすがクールだ」ということになるかもしれませんよ。

自己開示は「秘すれば花」

部下たち、あるいは取引先の方々と、人としての付き合いを深め、親密になるには、プライベートを含めての自己開示が大事です。人は、相手のプライベートな情報を知れば知るほど、心理的距離が縮まり親しさを感じるようになるからです。

ところが、自己開示のし過ぎは逆効果にもなる、という研究結果もあるのです。

ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ノートン博士は、プロフィールに関する印象の調査を実施。自分の性格を4つ紹介・6つ紹介・8つ紹介・10個紹介するものをそれぞれ作り、「どれがもっとも好ましいか」を聞きました。すると、4つ程度の紹介は好ましく思われたのですが、それ以上、数が増えれば増えるほど、好意を感じてもらえなくなることがわかったのです。

相手と仲良くなりたい、親密になりたい。関係性が徐々に深まって、そのように思うと、相手に自分をもっと知ってほしい、相手も自分の話をよく聞いてくれるので、さらにいろいろと明け透けに話すようになる。これが一定レベルを超えると、相手から好意を得られなくなってしまう。

自分の情報については、ある程度の開示をしたら、逆にそれ以上は伝えないほうが良い。少し、分からない部分、知らない部分があったほうが、相手からの好意を得られるのです。これを心理学では「レス・イズ・モア効果」と言います。

世阿弥はこれを既に、室町時代初期に経験的に知っていました。その著書『風姿花伝』で、能を学ぶ者たちへの秘伝の一つとして、観客を魅了するコツは「秘すれば花」と伝えています。さすがですね。

皆さんはどうでしょう? 部下たちに頑張って自己開示し過ぎて、引かれていたりしませんか?(笑) 少しミステリアスな上司を演出してみてください。


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