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「易しく話す」ではなく「分かるように話す」 哲学史と歴史をYouTubeでレクチャーするエルマンノ

正直に告白しよう。西洋哲学史の本を読んで、これまであまり心躍ることがなかった。昔、大学の一般教養科目として勉強した内容も、「知っておいた方が良い」ものに過ぎなかった。その後、自分の頭で考えるための使える素材になっていない。そう、はっきりと自覚していた。

人類の考え方を巡る歴史について関心はある。だが、哲学史にはどうも身構えすぎていた。そのため、自分に「欠けている素養」とずっと思っていた。

それが、ある日、ポドキャストでみつけた西洋哲学史の番組に嵌ってしまった。偶然に聞いたのだ。古代ギリシャのアテネの時代に生き、今に至るまでさんざん語り尽くされるアリストテレスやプラトンが登場するまで相当の回数がある。ソフィストたちの話で番組は20回以上(およそ30分/回)を費やす。現在、80回以上に達しても紀元後2世紀のキリスト教哲学だ。

理解できないところが多々ある。それでも、聞いていて「これは!」と思う説明に遭遇しては膝を打つ。そうして、かつて面白いと思わなかった哲学史の本を本棚から引っ張り出し、再び開いてみる。すると、「そうか、こういうことだったのか」とさらに理解が深まる。

YouTubeやポドキャストの番組をつくるエルマンノ。
©Ermanno Ferretti
YouTubeやポドキャストの番組をつくるエルマンノ。 ©Ermanno Ferretti

ぼくを虜にした人、エルマンノ・フェレッティが、今回の主人公である。イタリア北東部のヴェネト州にある街、人口およそ5万人のロヴィーゴの科学系高校(彼の母校だ)で哲学史と歴史を教える先生だ。YouTubeでもこれらをレクチャー。登録人数は3万人を超える。ぼくがフォローしているポドキャストも毎回、何万人かが聞いているようだ。

彼は、もともとインターネットの世界には早いうちから馴染んできた。だが、今のよう極めて限られた範囲のテーマでそれなりの数のファンを抱えるようになったのは、パンデミックにより学校で授業ができなくなったからだ。

休校になってとっさに浮かんだアイデアは、自分の生徒に向けた動画を配信することだ。チャネルは登録してあったが、殆どアーカイブがなかった。

手作りで一つ一つ制作をしてはアップロードをする。すると徐々に視聴者が増えていったのだ。今や動画の哲学史も歴史も、それぞれ約200回(40-60分/回)の量がある。哲学の専門用語だけを開設するチャネルも別にある。


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