岸田文雄政権が看板政策の一つに掲げる経済安全保障推進法が11日午後、参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。半導体といった重要物資のサプライチェーン(供給網)強化など4本柱で構成する。中国やロシアを念頭に、重要物資の安定供給確保を図るとともに、先端技術流出やサイバー攻撃のリスクを低減する狙いがある。
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政府はサプライチェーンの強化に向けて資金援助など支援を強化する。また、電力や金融など14業種を対象に、サイバー攻撃など安全保障上の脅威となる製品や設備が使われていないか、基幹インフラを事前審査する。
加えて、人工知能(AI)などの先端技術開発の官民協力を推進することや、核や武器の開発につながる技術は特許を非公開にする制度も新設する。
政府が民間事業者を支援する一方、情報提供や機密保持などで一定の制約をかける。非公開の特許情報を漏洩(ろうえい)するなど違反した事業者には2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金を科す。
来春から段階的に施行する。松野博一官房長官は11日午前の記者会見で「わが国の経済安保確保に向けた重要な一歩だ」と述べた。