【ワシントン=塩原永久】電気自動車大手テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏は10日、買収合意した米短文投稿サイト大手ツイッターの運営をめぐり、トランプ前米大統領のアカウントを永久凍結した対応を撤回する考えを表明した。
:quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/JEFLDIKZ2VPLZLFEWJ4VZTIMCU.jpg)
マスク氏は英紙フィナンシャル・タイムズが開いたイベントにオンラインで参加し、「トランプ氏(のアカウント)を禁止したのは間違いだ」と明言した。
ツイッター買収は完了しておらず、アカウント凍結の撤回は「間違いなく起こることではない」と言及。一方で、「永久凍結は極めてまれであるべきだ」として、トランプ氏排除を撤回する意向を示した。
マスク氏は、問題がある投稿への対応策として、ツイートを閲覧できなくしたり、アカウントを一時停止したりすることで対処すべきだとの考えを示した。
昨年1月の米議会議事堂の襲撃事件を受け、トランプ氏のアカウントは「暴力を扇動するリスクがある」として永久凍結された。
これに関連してマスク氏は、アカウント凍結が「トランプ氏の発言を止めることには、ならなかった」と指摘。むしろ、右派の間でトランプ氏の情報発信が増幅する結果を招いたとし、「道徳的に間違っており、とても愚かだ」と語った。
マスク氏は計440億ドル(約5兆7000億円)でツイッターを買収することで合意し、「言論の自由」を確保すると表明していた。
トランプ氏は、マスク氏によるツイッター買収で永久凍結が解除されても「戻らない」と表明し、自身が立ち上げた交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」の普及に力を入れるとしていた。