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令和3年度経常黒字、7年ぶり低水準 原油高と円安響く

財務省が12日発表した令和3年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年度比22・3%減の12兆6442億円だった。減少幅は東日本大震災後に燃油輸入の増加が続いた平成25年度(43・7%)以来の大きさで、黒字額は7年ぶりの低水準。ウクライナ危機などによる原油価格の高騰と円安進行が輸入物価を上昇させ、貿易収支が大幅な赤字になったことが響いた。

財務省=東京都千代田区霞が関(飯田英男撮影)
財務省=東京都千代田区霞が関(飯田英男撮影)

経常収支の減少は4年連続。このうち、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆6507億円の赤字だった。赤字は7年ぶりとなり、前年度から収支が5兆4277億円悪化した。輸出は半導体関連が堅調で85兆4957億円、輸入は原油高の影響で87兆1464億円といずれも比較可能な8年度以降で最高を記録したものの、輸入の伸びが輸出を上回った形だ。

海外への投資で得た利子や配当金の動向を示す第1次所得収支は21兆5883億円の黒字で、黒字幅が3兆円近く拡大した。このところの円安ドル高が海外からの配当金を押し上げた。

経常黒字は日本が海外で稼ぐ力を表し、円や日本国債が信用される源泉でもある。ただ、24兆円を超え過去最高だった19年度に比べ令和3年度はほぼ半減し、ロシアのウクライナ侵攻でも危機時の安全資産として円需要が高まる「有事の円買い」は起きなかった。侵攻の長期化で原油をはじめとした資源高は長引くとみられ、4年暦年では赤字になる可能性も指摘される。

一方、貿易赤字は企業が海外に支払う外貨を得るため円を売ることで円安にもつながり、資源高による輸入物価の上昇を助長する。火力発電用の燃油輸入を増加させる原発の停止を解消するなど赤字の改善に向けた取り組みが求められる。


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