東芝は13日、株式の非公開化を含む経営戦略の募集をめぐり、投資ファンドなど10社が提案を前向きに検討する意向であることを明らかにした。一方、当初は13日に予定していた、6月の定時株主総会に諮る取締役候補者の発表を急遽(きゅうきょ)、先送りした。「最適な取締役会体制を構築するために追加の時間を要することになった」と説明している。
「物言う株主(アクティビスト)」との対立などで経営が混乱する中で、東芝は4月、非公開化を含む経営戦略の選択肢を投資家などから募ると発表。東芝の13日の発表によると、同日現在で計10社が秘密保持の誓約書を出しており、東芝が自社の財務や事業の情報を提供しているという。
東芝は5月末に提案の1次的な応募を締め切り、提案を行った投資家などの数や提案内容を6月の総会前に公表する。総会後に本格的に絞り込み、1つまたは複数の提案を精査する。
また、東芝の経営陣は総会前の6月上旬に新たな事業計画を公表する方針。
一方、東芝は13日、同日に予定していた取締役候補者の発表を中止。「総会に間に合うように選任する」としている。現在の取締役は社外取締役6人を含め8人。東芝の企業統治に関する指針では11人程度としており、数人程度を増員し、取締役会議長を社外取から選ぶ見通しとなっていた。
13日には、令和4年3月期連結決算も発表した。売上高は前期比9・3%増の3兆3369億円、最終利益は70・8%増の1946億円と増収増益だった。