• 日経平均26571.87140.32
  • ドル円144.70144.73

日本の「シティポップ」が、全米1位の楽曲に引用されて大ブームになった背景 グラミー賞歌手のアルバムに日本人の名前

PRESIDENT Online

こういった彼の指向性の一端に、たまたま日本の80′sナンバーがフィットしたといってもいいだろう。

左から大滝詠一『A LONG VACATION』、山下達郎『FOR YOU』、寺尾聡 『Reflections』のレコードジャケット - 筆者撮影
左から大滝詠一『A LONG VACATION』、山下達郎『FOR YOU』、寺尾聡 『Reflections』のレコードジャケット - 筆者撮影

実はこのような日本の楽曲をサンプリングすることは、今に始まったことではない。2014年には、ラッパー兼シンガーとして絶大な人気を誇るJ・コールのアルバム『2014 Forest Hills Drive』に収められた「January 28th」では、ハイ・ファイ・セットの「スカイレストラン」(1975年)がサンプリングされていた。

しかもこのアルバムは、米国Billboard Chartで堂々の1位を獲得している。6年前にはすでに、ザ・ウィークエンド以上の実績を日本のシティポップが成し遂げていたとも言い換えられるだろう。

他にも山下達郎の「FRAGILE」を引用したグラミー受賞ラッパーのタイラー・ザ・クリエイター、杏里の「Last Summer Whisper」のイントロ部分をループさせた楽曲を歌うジュヌヴィエーヴなど、メジャーだけでなくインディ系も含めるとすでに相当数あり、今後も続々と作られていくのは間違いないだろう。

YouTubeの台頭で海外のマニアが「発見」できるように

われわれ日本人にとって、こういった元ネタ楽曲を見つけることはさほど困難ではないかもしれないが、海外では相当のマニアでないとこれまでは知る由もなかった。

しかし、YouTubeや音楽サブスクリプションサービスの台頭により、どんな国のどんなマニアックな音楽にも気軽にアクセスできるようになった。そのため、日本の知られざる音楽が、海外の音楽ファンにどんどん“発見”されていったことは想像がつく。

中でもその大きなターゲットとなったのが、シティポップと呼ばれる1970年代から80年代の洋楽に影響を受けた洗練度の高いポップスだったのだ。

おそらくずいぶん前からマニアはいたはずだが、インターネットカルチャーの隆盛によってようやく発見されたといってもいいだろう。

発端ははっきりとはわからないが、2010年代初頭には海外のDJのイリーガルなミックスに日本の楽曲が入ることは度々あったし、ヴェイパーウェイヴと呼ばれるアンダーグラウンドのダンスミュージックカルチャーにおいても、シティポップやアイドルポップがサンプリングされることが増えた。

いずれも正式にリリースされるというよりは、YouTubeをはじめ権利が曖昧なままひっそりと公開され、それがじわじわと広まっていくのである。

竹内まりやの非公式動画が2000万回以上再生

YouTubeでの日本のシティポップのブレイクということでいえば、竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」に関する経緯はもはや説明不要だろう。2017年ごろに非公式にYouTubeでアップされた動画が、あっという間にSNS上で拡散され、一気に2000万回以上の再生数をたたき出した。

この状況を受けて、2019年には急遽(きゅうきょ)公式のミュージックビデオが制作されている。

また、インドネシアのシンガーで人気音楽YouTuberでもあるRainych(レイニッチ)が2020年10月に松原みきの往年のヒット曲「真夜中のドア/STAY WITH ME」(1979年)をカヴァーしたことがきっかけで、Apple MusicやSpotifyといった音楽ストリーミングサービスの各種チャートでのランキングが急上昇。日本だけなく全世界でチャートに入るという40年越しの特大ヒットとなった。

海外で評価されている日本の70~80年代の音楽

竹内まりやや松原みきのブームの少し前には、大貫妙子の1977年のアルバム『SUNSHOWER』の再評価という現象もあった。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)