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日本の「シティポップ」が、全米1位の楽曲に引用されて大ブームになった背景 グラミー賞歌手のアルバムに日本人の名前

PRESIDENT Online

2014年に放映された人気バラエティ番組「Youは何しに日本へ?」に、このアルバムを探すために日本にやってきたアメリカ人教師が登場。

左から大滝詠一『A LONG VACATION』、山下達郎『FOR YOU』、寺尾聡 『Reflections』のレコードジャケット - 筆者撮影
左から大滝詠一『A LONG VACATION』、山下達郎『FOR YOU』、寺尾聡 『Reflections』のレコードジャケット - 筆者撮影

この時点ですでに彼のような外国人が大貫妙子のレコードを血眼になって探していたということは、さらにその数年前にはすでに海外の再評価が進んでいたことがわかる。

海外には、大貫妙子に限らず日本の70年代や80年代の音源に注目する音楽ファンがたくさんいる。たまたまテレビ番組にフィーチャーされ可視化されたというだけで、潜在的に日本の音楽を好む海外のリスナーの総数は膨大数になるだろう。

人気の出た楽曲が、たまたま日本語だった

海外における日本文化の評価という軸で考えると、アニメおよびアニソンはもはや定番だ。かなりマニアックなアニメでも、海外には一定のファンがついており、日本語で歌われているアニソンを自然に聴いているという例も決して少なくはない。

それがたまたま日本語だったというだけで、英語だろうがほかの言語だろうがアニソンとして区別はされていないのだ。こういった日本文化における受け入れられ方は、そのまま日本のシティポップにも当てはめられることも多いはずだ。

70年代や80年代の心地よい音楽を探しているうちに、たまたま知られざる日本のシティポップという鉱脈に遭遇し、さらにはSNSなどで拡散されたものをキャッチし、リスナーの耳に馴染(なじ)んでいったことは、今のインターネットカルチャーがデフォルトになった時代では当然といってもいいのかもしれない。

日本語のシティポップが全米1位になるかもしれない

では、この海外でのシティポップ・ブームは一過性のものなのだろうか。

シティポップが海外で評価され始めたのは、上記の出来事から類推すると、遅くとも2010年代の初頭だろう。そう考えると、このシティポップ・ブームはすでに10年ほど続いていると言える。

もしも一過性であるならば、10年も続くだろうか。10年も続くブームなんてそうそうないだろう。しかも廃れるどころか、まだまだ右肩上がりで加熱しているようにも思われる。

ザ・ウィークエンドのような世界的な特大ヒットに、シティポップが引用されることは珍しくなくなるかもしれないし、さらにいえば、日本のシティポップに影響を受けたというアーティストが登場し、軽々と世界中のチャートを制覇することがあってもおかしくはないだろう。

BTSに代表されるように、アジアのアーティストでも全米No.1になれることはすでに証明されているわけだから、日本人が日本語で歌うシティポップが世界中で鳴り響く未来も、あながち夢物語ではないのである。(ライター、選曲家 栗本 斉)

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栗本 斉(くりもと・ひとし)

ライター、選曲家

1970年生まれ、大阪出身。レコード会社勤務時代より音楽ライターとして執筆活動を開始。退社後は2年間中南米を放浪し、帰国後はフリーランスで雑誌やウェブでの執筆、ラジオや機内放送の構成選曲などを行う。

開業直後のビルボードライブで約5年間ブッキングマネージャーを務めた後、再びフリーランスで活動。著書に『ブエノスアイレス 雑貨と文化の旅手帖』(毎日コミュニケーションズ)、『アルゼンチン音楽手帖』(DU BOOKS)、共著に『Light Mellow 和モノ Special』(ラトルズ)などがあり、最新刊『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社)が発売中。

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