時短営業命令は「違法」 都の過失否定 地裁判決

    東京都から新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき営業時間短縮命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」(東京)が、命令は違憲などとして都に損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。松田典浩裁判長は、グローバル社への命令は「特に必要だったと認められない」として違法性を認めたが、命令を出した都知事に過失はなかったとして、請求を棄却した。

    東京地裁前で「命令は違法」と書かれた紙を示すグローバルダイニングの長谷川耕造社長(右)=16日午後、東京・霞が関(岩崎叶汰撮影)
    東京地裁前で「命令は違法」と書かれた紙を示すグローバルダイニングの長谷川耕造社長(右)=16日午後、東京・霞が関(岩崎叶汰撮影)

    新型コロナ対策の時短命令を巡る初の司法判断。グローバル社側は、判決を不服として即日控訴した。

    判決理由で松田裁判長は、命令に先立ち行われる時短営業の要請に応じた飲食店には協力金が支給され、損失がある程度補塡(ほてん)されるため、経営状況などを理由に応じないことは「正当な理由に当たらない」と指摘。グローバル社に対する見せしめなどの違法な目的も、なかったとした。

    その上で、特措法では命令を出す要件を「特に必要があると認めるとき」に限定していると言及。命令時には、緊急事態宣言が3日後に解除されることが決まっており「あえて発出した必要性は合理的に説明されておらず、特措法の要件に該当せず違法だ」と結論づけた。

    一方で、特措法に基づく時短営業命令の規定自体は営業の自由を侵害するものではなく、合憲と判断。都知事については「参照すべき先例がない当時は、学識経験者からの意見より、原告の考えを優先する判断は期待できなかった」として、職務上の注意義務違反はなかったとした。

    判決によると、都は緊急事態宣言の期間中だった昨年3月18日、時短営業の要請に応じない飲食店27店舗に対し、午後8時以降の営業停止命令を出したが、うち26店舗が、グローバル社の運営する店舗だった。


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