【パリ=三井美奈】ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、南仏のカンヌ映画祭開幕式でオンライン演説した。ヒトラーを風刺したチャーリー・チャップリン監督の米映画「独裁者」に言及し、「映画界には新しいチャップリンが必要だ」と訴えた。
「独裁者」は第二次大戦中に制作され、ヒトラーそっくりの独裁者が風船の地球儀をもてあそぶ場面が有名。ゼレンスキー氏は、「現実の独裁者を倒せなくても、映画は黙っていなかった。自由の勝利をうたう声になった」と述べた。
ゼレンスキー氏はまた、コッポラ監督の米映画「地獄の黙示録」(1979年)に出てくる米軍人の台詞(せりふ)を引用し、ウクライナの戦場の悲惨さを語った。「第二次大戦後、最悪の戦争が欧州で起きている。モスクワにいる1人の人物のせいだ」と述べ、プーチン露大統領を糾弾した。