現場の風

    リクルートホールディングス執行役員 柏村美生さん(47) 個の尊重と雇用流動化で組織強く

    --日本の雇用は流動性が低いといわれている

    柏村美生リクルートホールディングス執行役員
    柏村美生リクルートホールディングス執行役員

    「終身雇用も若年層の失業率を低下させるなど、いい面もあるが、社会や産業構造の変化が速く、同じスキルのまま働いてはいられない時代では、企業も個人もアップデートが必要だ。雇用が流動化することで外から来た人が気付きを与えてくれる」

    --リクルートは流動性が高い企業といわれる。優秀な人材が出ていくことに抵抗はないのか

    「人材は企業の大切な資本で、引き留めたいという気持ちもある。しかし、リクルートを〝卒業〟した後に外の世界で活躍したり、引き続きリクルートと仕事をしたりすることで新たなビジネスが生まれることもある。出る人がいれば、入る人もいる。リクルートにとっても他社から来た人材は非常にありがたい。いろいろな産業の優秀な人材が融合することで日本全体の活性化につながるのではないか」

    --根底には個を尊重する考え方がある

    「リクルートでは企業は個人が自己実現をするために存在すると考えている。自分にとって大切なことや、こだわりであれば情熱的に取り組めるし、どんな逆境にも向き合える自律的な人材に育つ」

    --日本の企業も変わらないといけない

    「どんな組織も無意識の間に同質化する『アンコンシャス・バイアス』が働く。一度同質化すると異なる意見が出にくくなり、変わるのが大変だ。多様性のある組織の方が変化の激しい時代には合っている」(蕎麦谷里志、写真も)

    かしわむら・みお 明治学院大社会学部卒。平成10年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。「ホットペッパービューティー」事業長、リクルートスタッフィング社長などを経て、令和2年4月から現職。東京都出身。


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