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アリババなどEC各社、困窮家庭支援 コロナが「ひとり親」直撃 通販網を活用

電子商取引(EC)各社が新型コロナウイルス禍で困窮した家庭への支援に取り組んでいる。ECで活用しているプラットフォームを食品メーカーや流通企業などとの連携で活用するなど、食品の宅配などでは中心的な役割を果たしている。緊急時の企業支援のモデルとして期待が高まる。

電子商取引(EC)の運営ノウハウを生かしたコロナ禍での支援が広がっている(フローレンス提供)
電子商取引(EC)の運営ノウハウを生かしたコロナ禍での支援が広がっている(フローレンス提供)

中国EC大手のアリババ・グループの日本法人は今年1月、NPO法人「フローレンス」を通じて1万世帯に8万食以上の食品を宅配した。アリババ日本法人は、日本企業の中国向け越境ECが主力だが、そのプラットフォームが取引先の食品メーカーや物流企業をつなぐハブとなった。

今回の支援は、昨年3月にフローレンスの駒崎弘樹代表とアリババ日本法人の香山(こうやま)誠会長が合意。アリババ日本法人で広報CSR担当を務める松沢しゃんさんは「『社会の責任を担える会社になる』という創業者の(馬雲=ジャック・マー=氏の)理念が根底にある」と話す。

アリババは中国国内で寄付金付きの商品を販売するなど、コロナ禍の影響を受けた農村部や企業に対する支援を積極的に進めている。日本でもデジタル技術を活用し、新型コロナウイルス感染を判断する胸部CT検査の画像分析などで協力している。

令和元年の「国民生活基礎調査」によると、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合である「子供の貧困率」は平成30年時点で13.5%で、7人に1人の子供が貧困状態にある。ひとり親家庭の貧困率は48.1%に上り、主要7カ国(G7)の中でも高い水準だ。

日本のひとり親家庭は母子家庭の比率が高く、観光業や飲食店で非正規雇用で働く女性をコロナ禍が直撃した。駒崎代表は「コロナ禍でいろいろな社会課題が噴出し、緊急の支援が必要だった」と話す。

困窮家庭を支援しているEC大手は、アリババだけではない。アマゾンジャパン(東京都目黒区)は、ひとり親家庭の支援団体が必要としている物資を一覧表に掲載する「みんなで応援」プログラムを令和2年11月から開始した。同プログラムは、知人がプレゼントの参考にできるようにほしい物を一覧表示する「ほしい物リスト」の機能を活用している。

登録した支援団体は当初の約150から、今年5月2日現在、850超にまで拡大。支援団体からは食品や日用品のほか、子供の学習用品などの要望が寄せられているという。ほしい物リストを通じた支援は海外でも実施されており、ロシアから侵攻を受けているウクライナに対しても欧州各国のアマゾン支社が専用の「ほしい物リスト」を公開している。

一方、食品宅配サービスのオイシックス・ラ・大地は昨年12月からひとり親家庭への宅食支援を進めている。2年4月から始めた医療従事者向けの緊急支援の仕組みを活用。現在は東京、神奈川、埼玉の1都2県を中心に13支援団体がサポートする7400世帯を支援しており、延べ3万世帯に食事を届けた。

日本の貧困問題は、ひとり親が支援の要請をためらうこともあって、行政が支援対象者を把握しにくい課題がある。EC各社が食品の宅配に携わることで、要支援者を行政につなげる役割も期待されている。(高木克聡)


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