ロシアのショイグ国防相は20日、ロシア軍の支援を受けて親露派が支配地を広げているウクライナ東部ルガンスク州全域の制圧が「近づいている」との認識を示した。一方、ウクライナ軍参謀本部は同州セベロドネツクを主戦場の一つとした上で、ロシア軍は勢いを徐々に失っていると主張。ロシアが掌握を目指す同州とドネツク州の東部2州で攻防が激化した。
ウクライナ軍参謀本部は19日、東部ハリコフ州でロシア軍が一時制圧した23の集落を奪還したと発表。ロシア軍部隊はハリコフの前線から撤退し、ドネツク州に再配置されたと指摘した。
米シンクタンク「戦争研究所」は、ハリコフ周辺から数百人のロシア兵が東部2州のドンバス地域に移動したと分析した。ハリコフで苦戦するロシア軍は2州に戦力を集中させているもようだ。
ショイグ氏は軍幹部の会議で、南東部の要衝マリウポリでウクライナ側の最後の拠点になっていたアゾフスターリ製鉄所の包囲は続いているとし、構内からの投降者が1908人に達したと述べた。(共同)