障害者や引きこもりの子供を持つ親や家族を支援しようと奈良市の女性が相談窓口を開設し、活動している。「あかるいみらい準備室」(同市法華寺町)代表の山口まゆみさん(44)。平成29年に開設してからこれまでに勉強会や相談会を積み重ね、延べ約3千人が参加。「漠然とした不安を相談できる場にしていきたい」と話す。
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近年、高齢の親が長年引きこもる子供を支える「8050」問題と呼ばれる家族形態が注目されているが、山口さんは、障害者とその家族間でも同様の傾向があると指摘。自身の死後、子供の面倒を見られないと悩む親が多く、「子供の生活支援を誰に依頼するか、子供だけでトラブルを回避できるかなど、一般家庭以上に複雑な問題が生じることもある」と話す。
今月14日には、認知症や知的障害により判断能力が不十分な本人に代わって財産管理や契約行為を支援する「成年後見制度」の学習会を奈良市内で開催。本人の判断能力の程度によって後見人のサポート範囲が異なることや、本人の判断能力があるうちに事前に準備できる制度があることなどを説明した。
参加した発達障害の30代の娘を持つ70代の女性は「どうしたら自分の死後も娘たちが元気に暮らせるか、まだ頭が働く今のうちに準備しておきたい」と話していた。
山口さんは「親の中にはインターネットでの情報収集に不慣れな人も多い。電話や対面、紙媒体などさまざまな方法で、困っている人たちと支援する側の橋渡しをしていきたい」としている。
問い合わせは、あかるいみらい準備室の相談窓口(050・3579・1642)。平日午前9時~午後6時。