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熱海市長、盛り土対応巡る第三者委報告に「検証バランス欠く」

静岡県熱海市で昨年7月に発生した大規模土石流を巡る集団訴訟で、同市の斉藤栄市長は24日の記者会見で、市として「(犠牲者の遺族ら)原告側の補助参加人として対応するのも選択肢」と前向きな考えを表明した。被害を拡大したとされる盛り土の造成地の現旧所有者への県と市の対応を「失敗」と断じた県の第三者委員会の最終報告については疑問を呈し、再発防止に向けた法令上の課題を列挙した。

記者会見に臨む熱海市の斉藤栄市長=24日、熱海市役所(岡田浩明撮影)
記者会見に臨む熱海市の斉藤栄市長=24日、熱海市役所(岡田浩明撮影)

訴訟告知

「被災者側に立って何かできることはないかと考えた結果だ」。斉藤市長は、原告側の補助参加人として加わる方向について、こう理由を説明した。原告の代理人が23日に県と市に対し、被告側の盛り土の危険性の認識などについて立証してもらうため、原告側での補助参加を求めていた。

被告の現所有者側が18日の初弁論で県と市、市長自身に訴訟参加を促す「訴訟告知」をしたことに関しては「困惑を禁じ得ない」とした。自身の訴訟参加については「(市の対応と)相反することはない」と述べ、足並みをそろえる構えをみせた。

県は訴訟参加について「専門家にも意見を聞いて相談しながら対応する」(法務課)としている。

反論

一方で、市の対応を「失敗」と断じた県の第三者委員会の最終報告については「納得しかねる内容」と改めて不満をあらわにした。報告書の内容が、この問題で市の対応根拠だった「県土採取等規制条例」に関する記述が多く、県のみ所管の森林法や砂防法などについては簡潔な記述にとどまるとして、「法令上の重要な論点に踏み込んでおらず、検証のバランスが欠けている」と苦言を呈した。

旧所有者による盛り土造成の届け出を空欄が残るまま受理したなどの市の対応について、最終報告書は「初動の失敗」と批判した。斉藤市長は会見で「市として反省すべき点は真摯(しんし)に受け止める」と認めつつも、「空欄などを記載すれば(造成を)回避することが可能だったのか検証されていない」と反論した。

「規制力の強い森林法など他の法律がなぜ使われなかったかを検証する必要がある」と、関係法令の問題点を洗い出してみせた。ただ、市の不適切な対応への批判をかわそうとする動きとも受け取られかねず、市の主張が被災者の理解を得られるかは不透明だ。

秋の市長選

市は今回、最終報告に対する見解とともに再発防止に向けた問題点を示したが、市としての最終的な公式見解は、市議会調査特別委員会(百条委員会)の終了後に公表する方針だ。

任期満了に伴う市長選を迎える今秋となる可能性もあるだけに、会見で5選を目指すか問われた斉藤市長は「自分の意思を伝えるタイミングではない。目の前の仕事に全力を投入している」と明言を避けた。ただ、「(土石流は)自分の任期中に起きたことなので責任を感じている。なんとかしなければいけないという責務がある」と語った。

市長選は9月4日告示、同11日投開票の予定。


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