ワゴニアの流れを汲む悪路走破性
だが、悪路走破性に磨きをかけているのもワゴニアの流れであろう。電子制御サスペンションはたっぷりとした上下ストロークがあり、フロントバンパーやリアバンパーが障害物と接する場面は少なそうだ。岩場やがれ場にも余裕で踏み込める。
転げ落ちそうな急斜面でも安定して下りられるように、電子制御ヒルディセントコントロールも備わっている。障害物を視覚化しやすいバーチャルモニターシステムも搭載。クロスカントリーとしての性能と装備には一切の妥協はない。ライバルと目される「レクサスLX」やランドローバー「ディスカバリー」と伍して戦えるかのような機能を備えている。
それでいて新型は、3列シートになった。日常は3列目を折り畳み、広大な荷室を備えた2列シート仕様として活用するのが自然だが、必要とあらば3列目を電動で起き上がらせ、7人で快適にドライブすることも可能だ。
ちなみに、価格を抑えた「リミテッド」仕様は7人乗りだが、上級の「サミットリザーブ」仕様は2列目をセパレートにしており、6人乗りとしている。よりフォーマル性が高いのである。
クロスカントリー系モデルを都会風にアジャストしたモデルが流行りつつある。グランドチェロキーもその資質に磨きをかけたのである。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。