リカレント経験者の約2割が平均85万円の年収増 学ぶ意欲強いが企業側の進学支援「ほぼなし」

    大学・大学院でのリカレント教育(学び直し)の経験者の6割以上がポジティブな効果を感じ、20代を中心に全体の約2割が「年収が増えた」と回答。額にして平均85万円増という結果だったことがリクルート(東京都千代田区)による調査で分かった。進学に興味をもつ人も若い世代を中心に多く、リカレントに対する関心の高まりがうかがえたが、それに対して進学支援制度がある企業は1割にも満たないという実態も浮かび上がった。

    リカレントへの意欲は高いが、企業側の支援体制はまだまだ少ない様子(Getty Images)※画像はイメージです
    リカレントへの意欲は高いが、企業側の支援体制はまだまだ少ない様子(Getty Images)※画像はイメージです


    社会人の6割が「学ぶ意欲ある」

    同社は2月までに20~60代の社会人1万人を対象とした調査と、経営者(310人)や部長・課長クラスのミドルマネジメント層(310人)の計620人を対象とした2つの調査を行った。

    その結果、社会人全体の6割が「キャリアアップや自己研鑽のために学ぶ意欲がある」と回答。年齢が若いほど学ぶ意欲が高く、男女とも20・30代で7割前後と特に意欲が高かった。「社会人向け大学・大学院への進学」について興味関心を示したのは4割弱だった。

    「進学に興味がある」と答えた人のうち、理由について回答があった1248人の結果を分析したところ、「多様な知識を身につけ視野を広げたい」が48%(複数回答、以下同)でトップに。「資格取得」(38%)、「新しい知識・技術」(37%)、「専門性」(34%)、「語学力」(33%)が続いた。一方、具体的に進学を検討している「顕在層」(416人)では、「専門性」(42%)が「視野を広げたい」(41.1%)を上回った。また「学位・学歴を得たい」が20%と、全体の6.5%と比べて高い点も特徴的だった。

    経験層(416人)に進学の成果について尋ねたところ、65%が「ポジティブな変化あり」と回答。そのうち年収が増えた人の割合は23%で、平均85万円増額していた。年収が増えた割合は若年層で高く、とくに20代の男性では44%と顕著な傾向を示した。

    進学支援制度ある企業は6%程度

    「進学に興味がある」と答えた1248人に対し、所属する企業に進学支援制度があるかを尋ねたところ、「ある」と答えた人はわずか5.6%という結果に。経営者側への聴取でも、大学・大学院の学位取得支援制度が「ある」との回答は6%と同様の結果となった。それ以外の学習・スキルアップ支援制度については73%が「ある」としており、その内訳は「資格取得の支援制度」が46%と最多で、次いで「社内の研修・セミナー制度」42.6%、「学習教材・資料等の購入支援制度」26.8%と続いた。

    調査を行った同社の進学情報サイト「スタディサプリ社会人大学・大学院」の金剛寺千鶴子編集長は、「新型コロナウイルス禍で生まれた内省の時間の中で自身の将来のあり方について検討したときに、改めて本格的かつ高度な学び直しが必要であることを自覚し、それが実現できる場として高等教育を想起する人が増えたのではないか」と分析。「リカレント教育がさらに進むためには、企業側がマネジメントの観点から支援を確立すること、また社会人が手応えを持てる学びの成果を教育機関側が実現することが必要」としている。


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