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「社長からのスタンプが正直しんどい」中小企業で起こりがちな“LINEハラスメント”の傾向と対策

PRESIDENT Online

社内や労働基準監督署の相談窓口に相談を

いまだ各種のハラスメントは職場において増加傾向にあります。ただ、思い悩んでいる本人以上に、ハラスメントに対して真剣に考えている会社が多いということは事実です。今回、テーマとしたLINEに関連したトラブルにかかわらず、ハラスメントが発生した場合にはまずは会社のハラスメント相談窓口に相談するように、普段から社内で周知しておくことです。

加害者が社長のケースなどは、どうしても相談しづらい、ということもあります。そのような場合には、労働局や労働基準監督署内に設置されている総合労働相談コーナーなどに相談することもできます。社内の相談窓口とあわせて案内しておくとよいでしょう。

大事な社員が1人で悩みを抱えて、気づいた時にはメンタル不全で休職を余儀なくされたり、退職に追い込まれてしまったりする前に、本人が相談できるように情報を提供しておくことが必要です。

LINEを社内利用するならば明確な運用ルールを決める

LINEグループでは、メンバー同士に意見の相違があると、互いを論破しようとする傾向がみられます。文字でのやりとりとはいっても、みんなが見ている前なので「その考えはおかしい」と白熱しやすく、その段階ですでに危険な状態ですが、さらにいき過ぎるとパワハラになります。もしLINEグループで上司が特定の人に「それは間違っている」と指摘をすると、他の社員の面前で叱責していることと変わらないからです。

Zoom会議では、部長が一人に対してずっと説教をしている場面に遭遇すると、周囲の参加者も困惑します。対面では、大勢の前で注意をしてはいけないということを意識していたはずなのに、オンラインでは目の前に人がいないためなのか、一対一で話している感覚に陥りやすいのかもしれません。

コミュニケーションツールやオンライン会議であっても、相手以外の大勢が見ていることを忘れないように気をつけましょう。

LINEは便利なツールですが、使い方を誤るとパワハラの温床になります。会社や職場単位でルールを決めて運用することをお勧めします。

労働問題の視点からもまずは連絡する時間帯や曜日を決め、それ以外は使用しないことを徹底します。「忘れないうちに入れておくだけだから、返事をしなくていいよ」といって、深夜2時にLINEを送るのは止めるべきです。

LINEグループでは、誰かの発言に対して参加者が一斉にスタンプを押します。これこそLINEの使い方ではあるのですが、そのノリに歩調を合わせたくない社員もいます。業務使用では、スタンプを使わない、または不要な返事をしないなど、ルールを決めておくことをお勧めします。そうしないと前述した事例のように、一人が返事をしたら「自分も返事をしないとまずいのかな」となって気にしてしまう社員が必ずいます。

フランスでは、2017年1月1日から、つながらない権利(Right to disconnected)に関する法律が施行されました。就業時間外のEメールなどを無視できるという内容です。日本では、職場や職務にあわせて社内ルールで決めて運用するとスムーズだと思います。

LINEをはじめとするコミュニケーションツールを業務使用する際には、運用ルールを明確にしましょう。業務上のやり取りのみに限定しておくと問題は発生しづらくなります。そこにコミュニケーションという感覚を混ぜると様子が変わってきます。コミュニケーションや雑談を認めるのか、業務限定で使用するのか、何のために使うのか目的をハッキリさせることが重要です。(特定社会保険労務士 大槻 智之)


大槻 智之(おおつき・ともゆき) 特定社会保険労務士。1972年、東京生まれ。日本最大級の社労士事務所である大槻経営労務管理事務所代表社員。オオツキM 代表取締役。OTSUKI M SINGAPORE PTE,LTD. 代表取締役。社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」は、現在日本国内外の企業500社を顧客に持つ。また人事担当者の交流会「オオツキMクラブ」を運営し、220社(社員総数18万人)にサービスを提供する。



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