• 日経平均26153.81218.19
  • ドル円135.31135.34

「社長からのスタンプが正直しんどい」中小企業で起こりがちな“LINEハラスメント”の傾向と対策

PRESIDENT Online

LINEを連絡ツールとして利用する職場で、いじめやパワハラなどのトラブルが起きることがある。特定社会保険労務士の大槻智之さんは「LINEの“ノリ”には人によって温度差がある。業務利用するのであれば、業務時間外には使わないなどのルールを定めるべきだ」という――。(※本稿は、大槻智之『働きやすさこそ最強の成長戦略である』(青春出版社)の一部を再編集したものです)

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

社長が書き込むと社員が一斉に「勉強になります!」

「スタンプが嵐のように押されると正直しんどいです」

Hさんはうんざりした表情で語り始めました。「まだ立ち上げて3年にも満たないベンチャー企業ですから社長との距離が近すぎるんですよね」。

Hさんが勤めるのは東京都港区にある社員数20人のIT企業。業績の伸びに伴い、社員のうち10人以上はここ1年以内に入社したばかりで、Hさんもそのうちの1人です。入社してまもなくアプリ開発のチームに配属されたHさんは、上司からLINEのIDを求められ、ほどなくしてチームのLINEグループに入れられたそうです。

この会社には会社全体に加えて、チームごとにLINEのグループが設定され、社長以下の役員3人はすべてのLINEグループに入っているそうです。「業務としてルールを決めて使う分には非常に効果的だと思うんですよね」とHさんもLINEグループをツールとして評価しています。ただ、「盛り上がりすぎなのが自分にはつらいんです」。

それは、社長の書き込みに対するみんなの反応。「社長が何か書き込みをすると、深夜であっても「さすがです!」「勉強になります!」「ついていきます!」といった書き込みが一斉に始まるんですよ……。全体グループにもなると、書き込み数も多いので、『自分も何か書かなくては』と思うとしんどいです。スタンプがひっきりなしに入ることもあり、正直、今後ついていく自信がありません」。

「LINEいじめ」は職場でも起こりうる

LINEの“ノリ“は人によって温度差があるため、時としてそれがトラブルに発展してしまうことも考えられます。今後、Hさんがこの会社でやって行くためにはこういった“ノリ“と上手に付き合う必要がありそうです。Hさんのケースよりもずっと行き過ぎてしまうと、いわゆる“ハラスメント”を引き起こす温床となってしまいます。

「LINEいじめ」という問題が中高生を中心に話題になることがありますが、何も子どもだけの問題ではありません。職場でもLINEいじめは起こりうるのです。

LINEがいつの間にか議論や社長の悪口の場に

LINEグループがきっかけで関係者が懲戒処分されるというパワハラに発展してしまったケースがあります。Hさんのケースと同様に上司がLINEグループを作ったケースです。東京都内の企業に勤めるAさん(女性・28歳)が所属する部署のLINEグループは、当初「連絡が取りやすいから」という理由で上司のB氏(男性・48歳)が作ったそうです。

最初は事務連絡に終始していたのですが、「もっとアイディアや情報を共有しよう」ということで単なる事務連絡から個々の意見交換の場となっていき、時としてメンバー同士でケンカになりそうなほどの議論を交わすケースもあったそうです。

そんな状況に気を良くしたB氏は次第に経営方針や社長に対しての意見をグループ内で書き込むようになり、誹謗(ひぼう)中傷に近い内容も散見されるようになってきたそうです。B氏から「おまえらどう思う?」とメンバーに対して意見を求めることも増えていき「正直、怖くてしょうがなかった」とAさんは話します。いわゆる既読スルーでやり過ごしていたところ、「Aはこの件についてどう考えているんだ?」とあるときLINEグループにB氏から名指しで書き込まれました。


Recommend

Biz Plus

Recommend

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)

求人情報サイト Biz x Job(ビズジョブ)