葛西敬之氏が死去 JR東海名誉会長

    葛西敬之氏
    葛西敬之氏

    旧国鉄の分割民営化で中心的役割を果たし「改革3人組」の一人と呼ばれたJR東海名誉会長の葛西敬之氏が死去したことが27日、分かった。81歳。東京都出身。

    葛西氏は東大卒業後の昭和38年に旧国鉄に入社。旧国鉄末期には職員局次長などを務め、雇用対策や合理化を担当した。中堅幹部だったJR東日本元社長の松田昌士氏(故人)、JR西日本元社長の井手正敬氏とともに、28兆円にものぼる膨大な赤字を抱えていた旧国鉄の分割民営化に尽力した。

    62年のJR発足に伴い、JR東海取締役総合企画本部長に就き、常務、副社長社長を経て平成16年に会長に就任。旅客減で低迷していた収益源の東海道新幹線を、「のぞみ」増発による時間短縮などの利便性向上策で活性化させた。15年10月にはJR東海の品川駅開業を実現、東京-名古屋間を40分で結ぶ「リニア中央新幹線」の具体化を推し進めるなど、安定的な経営基盤の確立に努めた。

    社外でも国家公安委員など政府の要職を歴任。安倍晋三元首相の政策的なブレーンを務め、安倍氏肝いりの教育再生会議委員に就任し、教育問題の論客としても知られた。

    産経新聞「正論」執筆メンバー。平成25年に「正論大賞」を受賞した。


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