【カイロ=佐藤貴生】トルコのエルドアン大統領は30日、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領と個別に電話で会談する見通しだ。タス通信が29日に報じた。ロシアのウクライナ侵攻から3カ月が過ぎたが同国東部などでは激しい戦闘が続いており、仲介が奏功するかは不透明だ。
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エルドアン氏は29日、「戦争は可能な限り早期に終わってほしいと願ったが、事態は毎日、よくない方向に推移している。対話と外交のルートを使うよう求め続ける」と述べ、ロシアとウクライナの大統領と電話会談を行う方針を示した。
トルコはロシアからエネルギーや兵器を購入し、対露制裁も控えている。一方、トルコ系少数民族が居住するウクライナには無人機(ドローン)を供与するなど、両国と関係を維持している。3月末には最大都市イスタンブールで両国代表団が対面で停戦協議を行ったが、成果はなかった。
エルドアン氏はスウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟を申請した問題について、「ロシアは好意的には見ていない。特にフィンランドについて懸念を持っている。ロシアが国境を接する国だからだ」と述べた。
NATO加盟国のトルコは自国の安全保障問題に理解を示していないとして、スウェーデンとフィンランドの加盟に反対している。