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制度的な「問題」にSNSで手口拡散…持続化給付金の不正受給

国の新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして、警視庁捜査2課などは30日、詐欺容疑で三重県津市、会社役員、谷口梨恵容疑者(45)ら親子3人を逮捕した。持続化給付金は新型コロナウイルス禍で売り上げが落ち込んだ中小企業や個人事業主らを「救済」する目的で設けられたが、巨額の不正受給が相次いでいる。背景には、制度的な「問題」のほか、SNSなどを通じ悪用の手口が急拡散したこともあるとされる。

「例えば、溺れている人に浮輪を投げるように、困っている人を一刻も早く助けるものだ」。持続化給付金制度を所管する中小企業庁の担当者はこう説明する。

制度は令和2年5月に始まり、3年2月に募集が終了したが、個人事業主には100万円を上限に支給され、これまでに計5・5兆円が支給された。申請には確定申告書類や収入減を証明するための売り上げ台帳などが必要だが、オンラインで手続きができ、早期救済のため、必要書類は少なかった。

このため、審査が厳格ではないことを悪用した不正が横行。3年には制度を熟知していたとみられる経済産業省のキャリア官僚による不正が発覚。今年3月には京都府警が特定抗争指定暴力団山口組系の組員を詐欺容疑で逮捕するなど、暴力団の資金源に回っていた疑いも浮かんだ。

警察庁によると、令和2年7月~今年4月末に3655人を詐欺などの容疑で摘発。立件総額は31億8400万円に上るという。中小企業庁の担当者は「溺れている人の例で言えば、その人がいい人か悪い人かは(浮輪を投げた時点では)分からない」と訴える。

SNSなどによる手口の拡散や指南役の存在も不正横行に拍車をかけたとされる。昨年1月には島根県警が詐欺容疑で慶応大野球部員の男を逮捕。男は知り合った大学生に申請を指南していたという。

今回逮捕された谷口梨恵容疑者らもSNSやセミナーで申請者を募り代行していた。中小企業庁の担当者は「不正申請についてはこれからも警察に相談しながら厳しく対処する」としている。(宮野佳幸)

持続化給付金9億円超詐取か 容疑の親子3人逮捕 元夫は指名手配



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