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「核の脅し」警戒必要 防衛研がウクライナ戦分析

防衛省のシンクタンク・防衛研究所は31日、ロシアのウクライナ侵攻が各国に与えた影響を分析した『ウクライナ戦争の衝撃』を発表した。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用を示唆したことに伴い、中国の「核の脅し」に対する警戒が必要との見解を示した。欧州における米軍増強がインド太平洋地域に影響を与える可能性も指摘した。

ロシアのプーチン大統領(AP=共同)
ロシアのプーチン大統領(AP=共同)

日本周辺の安全保障環境を分析した『東アジア戦略概観2022』も発表した。『概観』は昨年1年間の動きを分析しており今年2月24日以降のウクライナ侵攻は対象外となっているため、別冊として『衝撃』をまとめた。

『衝撃』では米国を含む北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ侵攻に直接介入していない理由として、ロシアの「核の脅し」でNATO側が抑止されているとの見方を示した。その上で「いざという時に核を使うというロシアの『決意』が、米国のそれを上回っている」とした。

同様の危険性はインド太平洋地域でもあると指摘。「中国の核を使う閾値(いきち)が米国より低いがゆえに、日米が抑止されてしまう事態を、我々は想定しておかなければいけない」と警鐘を鳴らした。中国の台湾侵攻を抑止する上で「バイデン政権は、より明瞭な台湾防衛の意思を示そうとしている」との見方も示した。

ロシアがウクライナを占領した場合は「NATOの戦線が拡大することで米軍が欧州により戦力を振り分けざるを得ないという見方もある」と指摘。「戦後」の対露関係に関しては「ロシアの本当の安全が脅かされず、国際環境に利益を得て規範を遵守(じゅんしゅ)する状態になる必要がある」とした。

一方、『概観』では「攻撃側は防御側に対して3倍の兵力が必要」との見方を紹介。中国の国防費が日本の4倍以上となっている現状を踏まえ、日本が対国内総生産(GDP)比2%にあたる防衛費10兆円を支出すれば中国の約2分の1となり、7兆円でほぼ3分の1になるとの試算を示し、「防衛費の水準は10兆円規模になるという考えもあり得る」とした。

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