欧州連合(EU)が一部の例外を認めつつも、ロシア産石油の輸入禁止を決めたことは、石油輸出に強く依存してきたロシア経済に厳しい打撃を与えることになる。中国やインドの買い増しも指摘されるが、EU市場の減少分の穴埋めは困難とみられ、露産石油の一層の需要減は必至だ。中長期的には外貨収入の減少で、通貨ルーブルを買い支えるなどの施策も困難になる可能性がある。
ロシアは輸出総額の45%を原油と石油製品が占め、天然ガス(9%)と比べても圧倒的に石油分野への依存度が高い。政府歳入も約4割はエネルギー産業の税収によるものとされ、資源依存型の構造から脱却できないままでいる。
地理的に隣接する欧州は、露産石油の輸出先で5割超のシェアを占めており、ロシアに対し融和的な中国やインドなどが輸入量を増加させても、欧州市場の需要減をカバーすることは難しいとみられる。露産石油はウクライナ侵攻後、需要の減少を受けて他の油種と比べても価格が大幅に低下しているが、中国は輸送距離の長さなどを理由に「一層の値引きを求めている」(日露貿易関係者)とも指摘されている。
ロシアは侵攻後、国内企業が輸出で得た外貨の大半を強制的に売却させ、自国通貨ルーブルを購入させるなどし、ルーブル暴落を防いできた。しかし、欧米諸国がロシアの主要輸出品のエネルギー資源の禁輸強化で足並みをそろえるなか、ロシアが外貨を得る手段は着実に狭まっており、中長期的にはルーブルを買い支えることも困難になるとの見方が強い。
ロシアは侵攻の長期化や対露制裁の影響で経済悪化が鮮明になりつつあり、露中央銀行は今年のインフレ率は最大で23%に達すると予想する。国内総生産(GDP)成長率も10%減になると推定しており、プーチン政権発足後では最悪の水準だ。プーチン氏が大統領に就任した2000年以降、露経済は原油価格上昇を背景に急成長したが、同氏は侵攻により、その発展の基盤を自ら突き崩しているかたちだ。































