2月に新潟県村上市で従業員6人が死亡する工場火災が起きた米菓大手「三幸製菓」は31日、調査委員会の報告書を新潟市北区の本社で発表し、全焼した「荒川工場」で出火直後に起きた停電が「消火・救助活動に支障が生じ、犠牲者の救助を遅らせた一因と推察される」とする見方を示した。犠牲者のうち4人は、工場の出入り口近くまで避難しながら、出口を見つけられず亡くなったとみられるとも説明した。
:quality(50)/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/FMGMEHRF6NPRFHNIPCOMFBDGGI.jpg)
同社が記者会見するのは、火災から3カ月半が過ぎて初めて。遺族が会見の実施を求めていた。
また同社は、菓子の焼釜室から出火した可能性があると明らかにした。第1発見者の従業員が、焼釜の上部にあった乾燥機付近で炎が広がっているのを目撃したという。
佐藤元保最高経営責任者(CEO)は「取り返しのつかない事故を起こしてしまったことを深く反省する」と謝罪した。
新潟県警は、業務上過失致死容疑で荒川工場を家宅捜索するなどして捜査を進めている。