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IR争点化図る立民 菅直人元首相が大阪参戦の波紋

今夏の参院選に向け、立憲民主党が大阪選挙区(改選数4)で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致の是非を争点にする方針を打ち出し、最高顧問の菅直人元首相が街頭に立ち始めた。同選挙区の「特命担当」としてIRのデメリットを訴え誘致を進める日本維新の会との対決姿勢を鮮明にする狙いで、折しも大阪では、誘致の是非をめぐる住民投票を求める動きも活発化。維新側は「われわれをたたきたいだけだ」と取り合わないが、IR誘致は参院選の争点になるのか。

参院選大阪選挙区の「特命担当」としてIR反対を訴える菅直人氏=大阪市中央区
参院選大阪選挙区の「特命担当」としてIR反対を訴える菅直人氏=大阪市中央区

「野党第一党の座渡さぬ」

「カジノを中心とした施設は多くのお金がかかる。大阪のみなさんがカジノに賛成しているということになっていいんでしょうか」

5月中旬、大阪市中央区の南海電鉄難波駅前で、菅氏が通行人らにこう呼び掛けた。菅氏は「多大な費用をかけても収益が見通せない」とした上で、「参院選の結果が誘致の成否に影響する」と主張。選挙期間中にかけて大阪を重点的に訪れて「IR不要論」を呼び掛け、擁立する候補者を支援するという。

元首相が特定の選挙区に「特命担当」としてはりつく異例の対応だが、背景には国会で「野党第一党」の座を争う維新の存在がある。大阪選挙区では、本拠地を置く維新が平成28年の前々回選挙以降は2人ずつ議員を送り出してきたのに対し、立民は前身である民主党時代を含めても、25年以降は落選を重ねている。

そうした中でIRは立民にとって、維新のかつての看板政策「大阪都構想」に次ぐ新たな対立軸ともいえる。立民は維新と違いを明確にして、有権者らにアピールしたい考え。菅氏は「維新に野党第一党の座を明け渡すわけにはいかない。そのためには、(維新の)本拠地で戦わないと意味がない」と力を込める。

維新冷ややか「お門違い」

だが、当の維新の反応は冷ややかだ。

「IRの争点化は、維新をたたきたいだけのパフォーマンス」。ある維新府議は一連の立民の動きをこう批判する。

IRをめぐっては、大阪府と大阪市の両議会で3月、それぞれ賛成多数で整備計画が承認された。国はすでに計画を受理しており、維新府議は「IRは大阪の手を離れている」と指摘。維新は大阪の経済活性化のためにIRは必要だとして誘致を推進しているものの、維新の衆院議員も「国政の議論として(大阪への誘致の是非は)完全にお門違いだ」と切って捨てた。

党本部としては維新と同様にIR推進の立場にある自民党も、「参院選の争点にはなりえない」(自民府連幹部)と消極的だ。さらに自民には、IRの整備計画をめぐり、市議団が反対し、府議団も一部が反対して離団するなど、一枚岩になりきれていないという事情もある。

住民投票の動きも

一方、府民からはIR誘致に疑問の声も上がっている。

府内の市民団体は「多額の整備費やギャンブル依存症対策費がかかるのに、経済効果が不透明だ」としてIR誘致の是非を問う住民投票条例制定を求める署名活動を実施。5月25日までに少なくとも20万7千人分が集まった。選管が今後、有効署名数を集計し、府への直接請求に必要な約14万6千人分を上回っていれば、府知事は府議会に条例案を提出する。ただ、府議会で否決されれば住民投票は行われない。

市民団体の代表者は、参院選で特定の政党を支援する意図はないと前置きした上で「署名は、カジノ誘致に対し、もっと慎重であるべきだという有権者の意思の表れ。参院選の選挙戦でもカジノの賛否は議論すべきだ」と話している。


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