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みんなの銀行開業1年 デジタル駆使 若者に浸透

「国内初のデジタルバンク」をうたう、ふくおかフィナンシャルグループ傘下の「みんなの銀行」が先月末で開業から1年を迎えた。デジタル技術を駆使して若年層を中心に支持を広げ、スマートフォンアプリのダウンロード数は100万件、口座開設は40万口座に上る。開業1年で一定の認知度を得て、今夏には個人向けローンの取り扱いを始める予定で、本格的に収益力の強化に乗り出す。

記者会見で開業1年を振り返るみんなの銀行の永吉健一頭取=5月27日、福岡市中央区
記者会見で開業1年を振り返るみんなの銀行の永吉健一頭取=5月27日、福岡市中央区

「さまざまな取り組みをしてきたが、すべてが次につながる実験台になった。物すごい手応えを感じている」

先月末、永吉健一頭取は福岡市内で記者会見し、開業1年を振り返った。

みんなの銀行は令和3年5月28日に開業。実店舗を持たず、口座開設から預金、デビットカード、取引履歴の記録などのサービスがアプリ一つで利用できる。煩雑な手続きを排し、アプリのデザインや操作性、利便性でも従来の「銀行らしさ」を打ち消した。利用者は幼いころからインターネットに親しんだデジタルネーティブ世代(10~30代)が7割を占める。

スピード感

マーケティングにはSNS(交流サイト)を最大限に活用。短文投稿サイト、ツイッターのメッセージを受け、わずか1週間で、預金を通じて海底火山噴火で被災したトンガ王国を支援するサービスを開始した例もある。デジタルを武器にしたサービス開発のスピード感も特徴の一つだ。

ただ、口座数はおおむね、計画通りだった一方、預金残高は250億円を目標に掲げていたが、実際は58億5千万円にとどまった。開業間もない銀行だけに「サブ口座」としての利用が多いことが要因の一つで、今後は「メイン口座」としての利用を掘り起こすことが課題となる。

先月末には、預金残高を増やすため金利の引き上げにも踏み切った。すべての利用者を対象に貯蓄預金金利を0・03%から0・1%に、さらに有料で現金自動預払機(ATM)や振込の手数料が無料になるなどのプレミアムサービスの利用者は0・3%まで引き上げる。

アプリで完結

今夏には当面の収益の柱に据える個人向けローンのサービスを始める予定だ。競争の激しいローン業界だが、同行の横田浩二会長は「従来の銀行ローンではなく、一気通貫、デジタルで完結するデジタルバンクならではのローンを目指す」と強調する。

申し込みの際に入力する情報は、一般的な金融機関が提供するローン商品が約30項目なのに対し、同行では、口座を保有している場合、基本情報が自動で入力されているため、年収情報の1項目のみで済む。融資枠と金利を組み合わせた借り入れ条件も、一般的には9パターン程度だが、利用者の属性に応じて130パターンを提示できるという。申し込みから融資実行までは、すべてアプリ内で完結する。

さらにローンと並び将来的な収益の柱に位置付ける「BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)事業」にも本格的に乗り出す。預金や決済、ローンなど一部の金融サービスを他業界の企業に提供したり、同行が構築したシステム全体を金融業界への新規参入企業に提供したりして、収益化を目指す。

中期経営計画では、令和6年度に口座数190万口座、預金残高1800億円、ローン残高950億円を目指す。7年度には黒字化を達成したい考えだ。

永吉氏は「1年で認知され、仕組みも整ってきた。2年目以降、ローンやバース事業など銀行として収益につながるビジネスを出していく」と自信をのぞかせた。(小沢慶太)


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