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「吸う人も吸わない人も配慮」 改正健康増進法2年、自治体は試行錯誤

屋外でのマナー、喫煙所整備に課題

受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の全面施行から2年が経過した。屋内が原則禁煙になり、屋外でたばこを吸う場所を探す人による路上喫煙や吸い殻のポイ捨てなどが課題として浮上している。自治体などでは、路上喫煙の規制やマナー啓発の一方、喫煙所整備を模索し、〝吸う人・吸わない人〟への配慮を組み合わせた環境作りへの試行錯誤が続いている。

万博控え全域禁止へ

2025年大阪・関西万博の開催を3年後に控えた大阪市は今年3月、市内全域を路上喫煙禁止地区とする方針を明らかにした。

同市では平成19年に路上喫煙防止条例を施行、駅前や繁華街など市内6地区を路上喫煙禁止地区に指定している。地区内の喫煙所では吸えるが、路上などで吸った場合、過料1千円を徴収する規定となっている。

同市環境局事業管理課では「禁止区域外では今も喫煙者を見かける。喫煙環境を取り巻く状況が変化するなか、万博に向けて多くの観光客の来阪が予想される。全市域で路上喫煙禁止が求められており、喫煙ルールの明確化が重要」と説明する。

同市では令和7年1月をめどに、全市域路上喫煙禁止に向け、取り組みを進めている。現在6カ所の喫煙所を設けているが、必要に応じて喫煙所の整備を検討する。

たばこをめぐって、自治体に寄せられる声は多岐にわたる。同市でも、公園や駅周辺での喫煙への苦情をはじめ、喫煙所整備の要望、税金を使って喫煙所を整備することへの批判の一方、嗜好(しこう)品のたばこに制限を設けるべきではないといった声もあるという。

佐賀県議会では今年3月、路上喫煙を防ぐ目的から、撤去された県庁内喫煙所の再設置を求める請願が全会一致で採択された。また、政府は今年度税制改正大綱でも、受動喫煙対策の一環として屋外分煙施設の整備を引き続き促している。

モバイルリサーチのネットエイジア(東京都中央区)による『喫煙・喫煙スペースに関する意識・実態調査2021』によると、非喫煙者(500人)のうち、喫煙スペースが必要との回答は64・4%。不要の35・6%を上回った。

必要とする理由は「受動喫煙を避けることができる」「禁煙場所で喫煙する人が減る」。一方、不要の理由は「においが漏れてきそう」「煙が漏れてきそう」などが挙がっている。

共存社会目指す京都市

国際観光都市の京都市では、平成19年に条例を制定し、市内全域で路上喫煙をしないように努力義務を課し、一部地域で過料を徴収するとともに、公設喫煙場所の整備を推進してきた。条例制定時の付帯決議では、喫煙者に配慮した措置の必要性についても言及。現在、19カ所の喫煙場所を運用している。

人通りが多いだけではなく、広報・啓発効果の高い市内中心部、京都駅周辺、清水・祇園の3エリアで過料1千円を徴収。路上喫煙者の過料件数は24年度の6794件をピークに減少、昨年度は363件となっている。

京都市文化市民局くらし安全推進部くらし安全推進課では「公設喫煙場所の整備だけではなく、路上喫煙等監視指導員による巡回や街頭啓発など、幅広い対策によるマナー意識向上が過料件数減少につながっている」と分析する。改正健康増進法の全面施行後、同時期に新型コロナウイルス感染症が全国で拡大し、人流が減少したこともあり、路上喫煙者数の大幅な増加は確認できなかったという。

同市は「たばこに対する意識は一層厳しくなっており、吸う人も吸わない人も共存できる社会の実現のためには、喫煙者自身のマナー意識の向上が不可欠である。引き続き、共存社会の実現に向け、路上喫煙・受動喫煙対策に取り組んでいく」としている。


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