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コロナワクチンいつまで効く 見えた副反応との関係性

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、徳島文理大学香川薬学部(香川県さぬき市)の池田博昭研究室は学内の関係者を対象に中和抗体量などを調べる臨床研究を続けている。2回目接種後、中和抗体量が半減する時期はファイザー、モデルナ製とも平均4カ月だったことなどを裏付け、7月の日本薬学会主催のシンポジウムで発表する予定。研究では感染リスクを排除するため被験者と会わない形を徹底した。体温計などを被験者の元に送り、やり取りはメールで行い、被験者自身が測定や撮影を行ってデータを送信し検査キットを廃棄処分するという仕組みで調査した。

自衛隊大規模接種会場で、新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける男性=東京都千代田区(代表撮影)
自衛隊大規模接種会場で、新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける男性=東京都千代田区(代表撮影)

中和抗体半減期は4カ月

池田教授と芳地一教授、保健福祉学部の夛田羅(たたら)勝義、藤岡譲両教授、4~6年生5人で令和3年5月から共同研究を開始した。

研究チームは徳島、香川両キャンパスの学生と教職員(家族を含む)を対象に被験者をウェブで募り、接種者111人(12~69歳、男性43人、女性68人)と未接種者9人の協力が得られた。

ファイザー製ワクチン接種者29人、モデルナ製28人の2回目後の中和抗体量の消失半減期はいずれも約4カ月で、男性が女性より平均で17日以上短い傾向があった。

池田教授は得られたデータを基に「中和抗体量が半減すれば感染防御力は下がるとみられ、2回目と3回目の間隔を5カ月に短縮したのは妥当」と分析する。

さらに「3回目接種後の中和抗体量はサンプル数が少なく確定的なことはいえないが、2、3カ月後に量がほぼ減っておらず、1回目後、2回目後とも急減していたのとは明らかに異なる傾向がみえている。かなり多くの人は3回接種により感染予防に必要な中和抗体量が得られたようにみえる」と推測する。

7月の研究発表までにはサンプル数が数倍に増えるといい「いずれのワクチンも3回接種すれば中和抗体量が一定期間持続し感染予防できることがさらにはっきりするのでは」と見込む。また、4回目は「高齢者や基礎疾患のある人以外、早急な接種は必要ない」という現時点での見解を示した。

持続力と副反応の製品差

このほか、中和抗体量が持続する人は副反応が強い傾向があった。2回目接種後の中和抗体消失はモデルナ製よりファイザー製が早く、モデルナ製接種の女性は抗体が多く残り副反応の発現率も高かった。3回目の腫れ具合は1、2回目に比べ小さかった。一方で未接種者はいずれも抗体量がゼロで自然免疫などで獲得した事例はなかった。

池田教授は「研究は体重や年齢、性別が異なっても全員同じ接種量で適切なのかという学生の疑問から始まった。体重や年齢による差はみられなかったが、女性は男性に比べ副反応の発現率が高く発熱の程度も多い傾向がみられた」と振り返る。

始めるに当たり、被験者と直接接触しないで行える仕組みを考え、調査フォームとデータベースの構築は米子高専電子制御工学科の支援を受けた。

条件の違いによる測定誤差をなくすため被験者全員に同一の非接触電子体温計と、指先の採血で中和抗体量を測定する検査キットなどのツールを配った。

研究に加わった5年生の大江健人さんは「ワクチン接種の研究によって感染を起こすのは許されない。研究にあたっては、非対面でリスクを下げる仕組みを考えた」と話した。池田教授は「被験者の顔を見ないで行える、新しい時代の臨床研究の手法がみえてきた」と話していた。(和田基宏)


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