深海から新型プラ引き揚げ 海中で水とCO2に自然分解

    海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」は7日、相模湾の深海から約半年前に沈めた、環境負荷が少ない新型の「生分解性プラスチック」の試作素材を引き揚げた。一部の素材は付着した微生物の働きによって自然分解していた。プラスチックごみが社会問題となる中、海に流れ出ても水と二酸化炭素(CO2)に分解する素材の開発を目指す。

    海底に設置し微生物の働きで自然に分解した、新型の生分解性プラスチック製のコップ。海底に沈める前(左)と約半年後に引き揚げたもの=7日
    海底に設置し微生物の働きで自然に分解した、新型の生分解性プラスチック製のコップ。海底に沈める前(左)と約半年後に引き揚げたもの=7日

    内閣府や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が挑戦的な研究を推進する「ムーンショット型研究開発制度」の一環。群馬大の粕谷健一教授は石油を原料とする一般のプラスチックの代わりに、植物などを原料に約70種類の生分解性プラを試作した。昨年10月に相模湾などの水深約700~約5500メートルの海底に設置していた。

    一般のプラごみは海に流出すると、海底に堆積し海洋汚染の一因となる。紫外線や熱などで砕かれると微細なマイクロプラスチックになるが、完全に分解しない。海洋生物が餌と間違えて食べると、生態系に悪影響を与えてしまう。


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